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001-レドルゴーグ 潜窟者たち -1-

 機工都市レドルゴーグは最深階が1200を越える巨大迷宮(ディープダンジョン)を抱える大都市である。


 ディープギアの名で呼ばれるようになり五世紀以上も経つその巨大迷宮は、名をつけられる以前から存在が確認されており、起源が定かでない。


 都市機能の中枢を擁する四箇所にそれぞれ入り口があり、上層部の途中から合流するものの、最も地表に近い浅層部は四分割されており入り口もそれぞれに対応する。そしてどの入り口からディープギアに入るかで、収集しやすい資源の系統が違っていた。


 とはいえ最深階層が四桁のダンジョンである、120階までが浅層に区分され、バカ正直に入り口から入って歩いてその浅層部の一番下まで行った場合、早くとも一ヶ月かかってしまう。


 全ての階が似たような構造で、一本の階段でつながれているのなら徒歩で踏破しようとしてもそこまでの期間はかからないだろう。しかし、そんな単純な構造であるのならば、巨大迷宮などという名称がつくわけがない。


 ディープギアに限らずこの世の大迷宮に区分される場所は、ただでさえ複雑な構造であるというのに、定期的に内部の構造を変化させるという厄介な性質をもっている。逆に言えば、そういった性質をもっていないただの洞窟や塔であれば、大迷宮に区分される事はない。



「なるほど、そういうバショか」


 一通り街の見物と情報収集を終え、得た情報を頭の中でまとめながら真っ黒マントは独りで何度もうなずいた。


 真っ黒マントはもうフードも仮面も背中にやって、素顔を外にさらしていた。艶のない黒髪は無作為に伸ばされ少し背中に流れる程度まで伸びている。しかし、それ以上に手入れされていない口と顎のヒゲが目立つ。仮面とフードを取り去っても丈の長いマントはそのままで、街ゆく人々は汗をだらだらと流しながら不思議そうに真っ黒マントをみやる。


 その真っ黒マントは広場の真ん中に立った大きな掲示板の前に立っていた。


 真上からみると正三角形に並べられた三枚の巨大な掲示板は、一面が都市の地図、一面が求人、一面が新聞という具合に割り振られており、情報が集まるこの広場にはかなりの人口密度になっている。もともとこのレドルゴーグがある地域は熱帯の気候であり冬でも通常は氷点下にならない。まして今は夏、この蒸し暑い中で平然と厚着をしている人間は自然と人目を引いた。が、真っ黒マントは人々の好奇の目を気にする風もなく、地図と求人と新聞を順に一瞥するとまた独りで何度も頷いて広場を後にした。


 ちょうどよく、広場の前の時計塔がガランガランと正午の鐘を鳴らし始めた。


まだまだ導入部 少しずつ文章量が増えて行きます


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