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ソメイヨシノが咲く頃は

桜舞う下で君はいつも俺を待っている

「死んだ魚の目がほしい・・もう何も見ずに済みそうだから。」

集中の糸が切れた様に彼女は涙を流した

俺は疑問に思うんだ・・

拳銃で頭をブチ抜いたら、もっとシンプルに生きられるのか

彼女の言う通り、この世界はどこか心を麻痺させないと生きて行けないのかもしれない

馬鹿な俺でも、やっと気付いたんだ・・

それが大人になることだって

人生を砂漠に例えるなら、

一滴の水を求めさ迷うか、生きる意味を探しだすか・・

・・て、感傷に浸るより俺にはやることがある

まるで、彼女の笑顔を取り戻す為のピエロにでもなった気分だ

皮肉が頭をよぎりながら、いつの間にか泡のようにそいつが消えていくんだ

何故だろう・・君の幸せそうな横顔を見ると、俺の存在がピエロであろうと道化師は喜んでもらってナンボだろってな感じ・・


あの時は知らなかった未来・・桜の木は変わらないが街の景色は少し変わった

俺は臆病者だ・・真実を言えば君はまだ隣に居てくれただろうか

君の流す最後の涙はいまだに俺の心に焼きついている

俺は桜の木を見て思うんだ

街は変わっても何も変わらないものがある

それは大人になるに連れ無くして行くモノとは逆に一生消えない痛みの様なモノ

俺は多くの出会いで一つ分かったことがある

人は同じような痛みの中、人生を生きている

だから、泣き言は止めにして、好き勝手生きてきた人生、見据える場所まで昇って見たくなったんだ。こんなご時世、道に迷うこともあるかも知れないけど、ここにくればこの桜が俺を案内してくれる・・今も目を閉じれば君はこの下で・・

俺は春が嫌いなんだ・・ソメイヨシノが咲く頃は、淡い物語に心奪われるから・・


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