・・・
俺の知る限り、彼は二度の死刑宣告を受け、二度の脱獄に成功している・・・
彼とのファーストコンタクトは薄暗い地下牢だった・・
「ふぅぅ、、、ガルルルル・・」
ガシン・ガシン・・ガアーーーン・・
ダッダッダッ・・・迫りくる圧力=殺気
「ちぃ・・パーティーの始まりか・・」
彼は獲物に飛び掛る・・その飢えた牙は俺の右腕を喰いちぎろうとしていた
「痛ぅぅ」
俺も必死だった・・まさか迷子のフェレットを探しに警察署に来て、サバンナさながらの生存競争に巻き込まれるとは・・
まさに・・トラブル・・虎と龍・・虎舞竜
俺は唸りを上げる彼の鼻っ面にDECOPINを喰らわせた・・
ウギャン・・男達の戦いが終わる頃・・
俺たちには友情が芽生えていた
レッドアイヅホワイトドラゴン・・真紅の瞳で語っていた・・
「兄さん・・僕を連れてって・・」
「ブラザー・・蛇の道は蛇だぜ・・」
ある日の出来事だ・・
あっ・・言い忘れたけど、俺は軍隊の様なハイスクールで優秀なソルジャーとして活躍いる
そんな俺がだ・・家に帰ってくると顔がにやけちまう・・
「HEY・・ブラザー・・」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・
おかしい・・
呼んでも来ないのは当たり前だが、ここは彼のテリトリーだ・・
いつもは息苦しい殺気に包まれているが、それがない
「嵐の前の静けさか・・」
コンコン・・玄関から聞こえた・・
俺はファイティングポーズをとっていた・・条件反射ってやつだ
張り詰める空気・・息を飲む・・ゆっくりと玄関が開いていく・・
そこに立っていたのは隣のおばちゃんだった
「だめよ逃がしちゃ。お宅のフェレットよね」
俺はその姿に身を凍らせた・・
おばちゃんに鷲掴みにされもがくブラザー・・
牙・・爪・・右ストレート・・
どれも通用していない・・か・・勝てる気がしねー・・
しかし、偉大な兄弟は戦い続けていた・・
俺は震える身体に鞭をいれ・・・・叫ぶ様に吐き捨てた
「す・・すいません、ありがとうございます」
バタン・・