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8.“会話”

 リアルが忙しくて暫く毎日投稿が出来ないと思います。スミマセン。

 不死鳥の従者で人化の魔法を使ってる、ということはメラさんは魔物ってこと?

 でもフェンリルが人化の魔法を使っても、こんなに人間らしくないけど……

 人化の魔法の指導ってそういうことか。

 人(?)に教えれるくらい、上手く使えるってことかな。

 

「大丈夫ですか?」

 私が目を回していると、メラさんが心配そうな顔をする。

 それに応じるように、私は小さく頷く。

 メラさんが原因なんだけどね。

 んー、聞きたいことが多すぎるんだけど、それをどうやって聞こうかな。

 流石に絵だけじゃ伝わりにくいし、もどかしい。

 

『聞こえる?』

 突然頭の中で、メラさんの落ち着いた声が響く。

 もう理解が追いつかない。

 ここは割りきるしかないか。

『聞こえます』

 伝わるか分からないけど、頭の中で答える。

『なら良かった』

『え、本当に聞こえてるの?』

『もちろん』

 メラさんは微笑みながら親指を立てる。

 胸が熱くなる。

 私がまともに会話することが出来るなんて、夢にも見なかった。

 私の考えていることが直接伝わってる。

 伝わってるんだ!

 

 目頭が熱くなる。自分の思ったことをそのまま伝えれるなんて。

『セシルさん、大丈夫ですか?』

 メラさんが心配そうに、私の顔を覗き込む。

『大丈夫です。ただ、凄く嬉しくて』

『……そう』

 私はメラさんに優しく頭を撫でられる。


『セシルさん、何か知りたいことはある?私は情報収集能力に長けているので、大体のことは分かりますよ?』

 知りたいこと、か……

 それなら……

『メラさんって魔物なんですか?』

 『そうですよ。私の本当の姿を見せましょうか?』

 そう言うと、メラさんは髪と同じエメラルドのような綺麗な羽を持つ、フェンリルより一回り小さい鳥になった。

『本当に、魔物だったんだ……』

『はい。ムードリィバードと言う魔物ですよ』


 あの完全に人の姿をしたメラが魔物だって、今でもあまり信じられない。

 凄いなぁ。完璧に変身出来るなんて。

 ……あれ?私も変身出来るんだ。一応試してみよう。

 私は念じる。『メラさんになりたい』『メラさんになりたい』……

 すると、私の身体はメラさんと同じエメラルドのような綺麗な羽を持つ鳥になった。

 出来ちゃった。猪でも試したことはあったけどそれは無理だったのに、メラさんにはなれる。一体何が条件なんだろう。


『セ、セシルさん。今、一体何を……?』

 人の姿に戻ったメラさんは心底戸惑った顔で、私に問いかける。

 クールな印象だったメラさんが、戸惑っているのは何だか可笑しい。でも私だって、メラさんが私と同じ姿になったら同じ反応しちゃうと思うから、変には言えないけど。


 私も人の姿に戻って、メラさんの問いに答える。

『多分、私のスキルだと思います。ステータスを見たことが無いので、詳しくは分からないんですけど』

 詳しくは無いけど、ステータスを見るための魔法『鑑定』は、特殊な魔法らしくて、人間は詠唱をするから簡単に出来るけど、魔物には難しいらしい。

 それは話せない私にも当てはまって、誰かが『鑑定』を使っているのを見ても、扱うのは難しいと思う。


『私がセシルさんを鑑定して、スキルの詳細を見てみましょうか?』

『……え?』

 そう考えていたら、魔物であるメラさんがそう提案してきた。

 

 

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