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13.改名!?

「まぁ逃げられちゃったから捕まえに──じゃなくて、さっきも言ったけど、お礼しに来たの!」

 本音が漏れちゃってるよ……

「ねぇフェンリル、何かして欲しいことな──」「ない。かえれ」

 即答……と言うか、食い気味に返事したなー。

「遠慮せずにさ~、何か言えば良いのに~」

 そう言って赤ずきんさんは拗ねたように頬を膨らます。

 傍から見れば無表情に見えるが、長い付き合いの私は分かる。フェンリルが困った顔をしていることを。

 遠慮じゃなくて迷惑がってるだよ、って赤ずきんさんに言いたいけど、声の出ない私は首を突っ込めない。


 一生このやり取りを続けるのかな、この二人。

 ……真面目に考えたけどやりかねない。メラさんと話してた時もフェンリルは全く折れなかったし、この様子だと赤ずきんさんも目標を成し遂げるまで折れないつもりっぽい。

 私が生きてる間に終わらないよ、これ。


「仕方ないな~、じゃああたし勝手に何かしらするよ?」

 強硬手段に出た~!確かにそうすれば目標は達成するか。

 何を仕出かすかは知らないけど。

「セシルちゃんって家名が無いけど、奴隷だったの?」

 え、私?

 何を考えているか分からないけど、取り敢えず頭を横に振る。

「そっか、じゃあ捨て子なのかな?それで、あたしが言いたいこと、何か分かる?」

 赤ずきんさんが、言いたいこと?

 正直分からない。そもそも赤ずきんさんって何も考えずにとにかく前へ突っ走っていく、まるで猪みたいな人かと思ってたけど、違うの?

 私はまた頭を横に振る。


「うっふふ~、ならあたしが直々に教えてあげよう。そう、あたしが言いたいのは、『家名が無かったら奴隷だと思われて迫害されるよ』ってこと!」 

 確かにそうだ。そう言えば、メラさんも人間で家名が無いのは奴隷くらいだって言ってた気がする。

 奴隷は最低の地位。だから、人間に会った時、私に家名が無いって分かったら、とやかく言われるかもしれない。

 ちゃんと赤ずきんさんも物事考えてるんだ。あ、馬鹿にしてた訳じゃないよ?実は賢くて凄いんだな~って意味だよ。


「だからあたしがお礼として、その不安要素を取り除いてあげようってこと!」

 そんなことどうやってするんだろう。人間に『セシルは奴隷じゃない』って言うのも色々と怪し過ぎるもんね。

「それじゃあ、どうしよっかな~。フェンリルじゃややこしいし、何か関連してるものが良いな~?」

 何を言ってるんだろう。フェンリルじゃややこしい?検討もつかない。


「……あ、そうだ!ニーハバード!ニーハバード大森林だ!……うん!それっぽい!よし、じゃあそれで決定!セシルちゃん、手を出して、ほらほら?」

 怪し過ぎる。何を企んでるの……?この人。

 これ素直に手を出したら危ないやつじゃ……

「もう、そんな警戒しないでよぉ。ほら、見てて」

 そう言って無理矢理私の手を握られる。

 ……何だか、赤ずきんさんから私にかけて、魔力の流れを感じる。

 怖いんだけど、本当に何してるの……?

「はい、終わり~!今日からセシルちゃんの名前は、セシル · ニーハバードだ!」

 ……はい?

「あたしが魔法で家名付けちった。てへぺろ」

 ……私、改名!?



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