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11.ユニモン(?)

 メラさんと出会って早一年。私はまだメラさんのスキルを扱えないけど、フェンリルは人化の魔法に慣れてきた。

 この一年はそれだけで、特に何も無かった。


 そして、今。私は今日も魔法の練習に勤しんでいた。 

 氷塊を作り、それを炎で溶かす。これをずっと続ける。


 そんな中、剽軽な声が森に轟く。

「いた~!フェンリルゥ~!」

 な、何?急に耳が痛くなるくらいの声が、何処かから……

 突然、茂みから慌てて出てくるフェンリルと、フェンリルのしっぽにしがみついている赤いフードを被った知らない誰かが近付いてきた。

 すると、フェンリルは人の姿になる。

「いてっ」

 しっぽが無くなって、赤いフードの女の人は地面に叩きつけられる。


「ついてくるな」

「何でよ~、フェンリルは私の命の恩人だからさ、お礼しなきゃな~って」

「そう、ならもういい。かえれ」

 命の恩人?この人のことをフェンリルは助けたことがあるの?

 仲が悪そうに見えるけど。あ、でもメラさんにも少し冷たかった気が……

 フェンリルってそう言う性格なのかな?でも私にはデレてるけど……

 そんなことを考えていると、赤いフードの女の人が、私に気付く。

「あれ?フェンリル、この子誰?──に、人間なの!?セシルって言うんだ。よろしくね、セシルちゃん!」

「なにもいってないのだが」

 赤いフードの女の人は、私の手を無理矢理掴んで握手とは言えない握手をする。

 私もフェンリルも何も言ってないのに、何故か名前を知っている。

 悪い人じゃないとは思うけど、素っ頓狂な振る舞いから、メラさんよりも警戒してしまう。


「鑑定したの。凄いでしょ?なんせあたし、ユニークモンスター、長くてダサいから略して、ユニモンだからね!」

 ユニモン?何それ、知らない言葉。

「あ、その様子じゃユニモン知らない感じ?こほん、仕方ないな~、あたしが直々に説明してあげよう!」

 ちょっとテンションが高くてついていけない。


「ユニモンとは、あたしやフェンリルのような神様が直々に生み出した、世界にたった一人の魔物のことである!その特徴として、種族名と名前が同じなのである。セシルちゃんなら、人間のセシル。フェンリルなら、フェンリルのフェンリル。あたしなら、赤ずきんの赤ずきん、こんな感じ。他の特徴は、めっちゃ強くて、絶対にスキルを持ってる!とかだね」

 フェンリルがユニモンだとは知らなかった。

 って、フェンリルもスキルを持ってるの?使っているの見たこと無いけど。

 私の疑問を悟ったように。フェンリルは話し出す。

「わたしのスキルはのろいみたいなものだ。このもりのそとにでると、じゃくたいかするスキル。なんのメリットのないスキルだ」

 へ~、そんなスキルもあるんだ。何だかまるでフェンリルの行動を束縛する鎖みたいなスキルだ。

 ユニモンって神様が直々に生み出した魔物なのに、何で束縛するようなスキルを与えたんだろう?そんなの、昔に大暴れしたことがある、みたいに感じるんだけど。

 でもあり得ないか。だってフェンリルは優しい魔物なんだから。

「あ、あたしのスキルは『蘇り』!殺された時限定だけど、あたしを殺した犯人が一ヶ月以内に死んだら蘇るの!そのスキルとフェンリルのお陰であたしは助かったの!」

 なんとなく話は読めた。けど、饒舌な赤ずきんさんは話し続ける。

「うっふふ~、分かるよ?あたし。聞きたいんでしょ?あたしとフェンリルの出会いを!」

 長くなりそう。

 

 

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