私は過労死したそうです
第一話 私は過労死したそうです
はぁっ。
今日も居残りの仕事きつかった。
ぼとぼととして、夜道を通って家へ帰る。
私如月麗羅は、けなされまくった人生を送っていた。
あ、れ____?
意識、が、遠く、なっ、てい、く…。
こで私の意識と息は、ぷつりと切れたのだった。
「わっ!わ~~~~っ!お~い!レイラさーん!やっほーー!生きてますか~?あ。いや、正式的には、もう死んでるのか。レ・イ・ラ・さーーーーん!!!!」
「ふおっ」
「あ~!やっと起きました~!」
「え?ええええ?えっ?ちょっと状況が掴めないんですけど…。」
視界が夜の街からいきなり天国っぽいところ、雲の上に変わったんだけども。
うん。うん。ううううううううんんんんんんんんんん!
落ち着いてる自分が怖い。てか、落ち着いているのか?
いきなり現れた天使っぽい見た目で、巨乳の人。
金髪良いな~。っじゃなくて!
状況が全然つかめない!!!!
「ああ。ですよね。そうなりますよね!パニクりますよね!」
「あ。うん。はいはいはいはいはい!全く主さんの言う通り!そうなんですよ!パニクってるんです!状況がぜんっぜん掴めないんですよ!!!!」
ヤバい。私、知らない人と話してる。初対面の人と話してる。いや、向こうがいかにも普通に話してくるのもヤバいかもしれない。
「驚かないでください。落ち着いて聞いてください。」
「は、はい?」
向こうがすごい真剣そうに話してくるから、真剣に答える。
「あなた、レイラさんは…」
「…。(ゴクリ)」
「死にました。」
「なるほど___……ってえええええぇぇぇぇぇ!?」
もう、くたっくただったから、「あ。私、もうじき死んでもおかしくないかな~」って思ってたんだけど、いざ聞くと、さすがに驚く。
「私、死んだんですか?」
なるべく冷静を装って聞いてみる。
ここで変に聞くとあんま良くないと思う。
「いいですね。落ち着いてますね。」
そこかよ!!!!
心の中でツッコミを入れる。
いや、まあ、冷静に見せようと思ったから、この反応を求めてたかもしれない。
「はい!では、本題に戻りましょうか!」
「え。あ。はい。」
「改めまして、私はこの世界と異世界を繋ぐ、『天国』の接客係の【ジャンシュ】と言います!」
ほほう。ジャンシュさんか。
ていうか、私、天国にいるんだ…。本当にあったんだ…。
「あの、私は麗羅___…」
「はい!レイラさんですね!安心してください!もう、聞いています!」
「そうですか…!」
「はい!レイラさんは、今から転生する準備をしています。なんか、耐性のご希望とかってありますかね?」
希望…。
あっ。
「不老不死にしていただけたらなと…。あと、若い要素で!」
過労死したから、次はもう死にたくない!
あと、モテたい!!!!異世界はモテるとか分からないけど。
「了解です!じゃあ、要素は10代ぐらいにしときますね!」
「おお~。意外とサラッと」
そんなに簡単にできるものなのか。
「あと、立ち場はどれくらいが…、いや、丁度いいのある。いま、……がいないから、この子は……にしよう。あっ!ごめんなさい!やっぱり何でもないです!」
「……。そうですか。」
いやいやいやいやいやいや。気になる。
「そうだ!転生先でのルールについて説明しますね!」
ルールなんてあるんだ。
異世界でも縛られた生活を送るんだ。
もうちょっとだらだらできると思ったのにな…。
「あっ、いや、そこまで縛られないルールなので、安心してください!」
ジャンシュさんが、心を読んだように言う。
「ほぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっ」
吐息か、ため息か、分からない音を立てる。
「その1.本名は言わないこと!」
「ええええええええええ!?なんて名乗れば…?」
「そうね…。レイラは?」
本名と変わらないじゃん!!!!!!!
「いやいやいやいや、本名と読み方変わってませんからね????」
「まぁ、いいの♥」
「ぐおぉっ」
謎の圧で倒れかける。
マジで謎。
「はいはい!続いて、その2.」
「ちょっとおおおおおおおおおおおおおお」
「前世のことは話さないこと!」
「え?なんで?」
「あ、これは、レイラさんだけ、特殊なんですよね~。」
?????チョットヨクワカラナイナ
「ハイ。ワカリマシタ(棒)」
「ふふっ。」
怖い。笑みの裏に影がある気がする。
「準備ができたところで、さっ!行きましょ☆」
「えええええ?」
ここでまた、私の意識は途切れたとさ。