短い一生
「んー…お腹減ったし昨日買ったおはぎでも食べようかな」
恭介は冷蔵庫に手を入れておはぎを取り出した。そしてなんの躊躇いもなく食べて行く。満面の笑みを浮かべながら。そして2つあったうちの1つは床に落としてしまい、食べれなくなった。なので仕方なく捨てることにした。そしてそのまま時は経ち、夜の10時になった。恭介は布団に入りスヤスヤと寝てしまった。そこでとてつもなく恐ろしい夢を見たのだ。それは今日落として食べれなくなったおはぎに食べられるという夢を。
「お前かぁ!俺を捨てたのは!!」
「…へ?」
「何が『…へ?』だよ!!お前が今日の昼に俺様を床に落として捨てただろ!!」
「いや、だってあれは落としちゃったから…」
「それが問題なんだよ!なんであの時に落とした!俺は人間に食ってもらうことを楽しみにしていたのにぃ!お前のせいで台無しじゃないか!どうしてくれるんだ!」
「す、すいません…」
「すみませんで済む話じゃねぇんだよ!」
「…」
「今からでも食べろ!」
「俺を食べろ!!」
「え、いや…ゴミだらけで汚いし…」
「…あ?汚いだと?気が変わった。お前は俺を食べなくていい。代わりに…『俺がお前を食う』」
「え…?僕を食べる…?」
「ああ、そうだ」
「え?え?ちょ、来ないでぇっ!!!」
「まてゴラァ!!逃げんじゃねぇ!」
「だって逃げないと食べられるじゃぁぁぁん!!!」
「ゼイ、ハァ、ゼイ、ハァ…お前足早すぎんだろ!」
「あ、ヤb…」
「フッ…これは俺の勝ちみてぇだな。ま、お前が今転んでくれなきゃどうかは分からなかったが」
(ん?待てよ…これは夢…だから…現実では死なない!)
―――――現実―――――
古都恭介はその後、夢から覚めることはなく、白骨として見つかったのであった。