突然の出会いは突然に…♡
わたしの名前は、村山 愛。ごく普通の平凡な社会人である。趣味は、韓国旅行とK-POP鑑賞すること。歌手の人と会話することができるように、韓国語の勉強を高校生の時からしている。渡韓するのは、月に一度。それぐらい好きなわたは、韓国に関わることができる仕事を職にすることができた。あるときは、出張も韓国に行くことができる。村山 愛にとっては、天職にちがいない。
ある日のことだ。外は土砂降りの大雨。仕事から帰ることもナーバスになるほどだが、帰ることしか選択肢がないので、もちろん帰るつもりだ。仕事が終え、帰る定時刻になって、帰る支度をする。
「お疲れ様でした」
わたし村山愛は、会社にいる必要性がない以上、無駄な時間を使わず、定時刻に家に帰る人である。会社を出て、傘を差しながら、前を歩いていると、水たまりに足が持っていかれて、滑るところだった。その時、突然体が支えられるのを感じた。
「っえ?」
わたしは、滑らなくて済んだが、驚いて声が出てしまった。わたしを支えてくれた人は、見たこともない見知らぬ男性であった。
「大丈夫ですか?」
男性はそう言って、落ちている鞄を拾いながら、わたしに手渡しをしてくれた。男性は、顔も整っていて、モデルのようなスタイルで、わたし好みの人であった。
「あ、大丈夫です。ありがとうございました」
そう言って、鞄を受け取りながら、お辞儀をした。
「今日は、天気が悪いので、滑りやすいです。気をつけてください」
男性は、その言葉を最後にその場から立ち去った。
(「はい・・・。なんと優しい方なのだろう」)
わたしは、心の中でそうつぶやきながら、いつも通っているカフェに向かった。仕事帰りに立ち寄るここでのくつろぎは、なんと言っても、素晴らしいの一言である。このカフェは、席もたくさんあって、そんなに混雑するような時間でもないので、人もそれほど多くない。わたしがいつも利用している席は、壁際の席である。どうして気に入っているかというと、これは誰にでも当てはまりそうだが、携帯の充電をできるコンセントがあるので、いつもそれを利用している。この理由の他に、もう一つある。それ
は、壁に描かれている絵が雰囲気に染まっているからだ。この日も、その席が空いていたので、コーヒーを注文してその席に座る。
(「今日は、何をしようかな・・・」)
わたしは、カフェに行くとコーヒーを飲みながら、30分ほどくつろいでいる。
主に、韓国語の勉強をしたり、アプリで音楽の動画を見たりしている。今日も、口ずさみながら韓国語の勉強をした。ときどき、先ほど助けてくれた男性が頭の中で出たり、消えたりを繰り返していた。
30分が経過したので、わたしは家へと帰宅した。
「ただいまー」
わたしは、独り身で彼氏もいないので、わたしへの返答はいつもないが、何も気にすることない。なぜなら、今している仕事は、とても天職で楽しいからだ。この環境を崩したくない。奪われたくない。奪われるくらいなら、もうこのまま一生独り身でいいくらいだ。わたしは、帰った足でそのままベッドにごろ寝した。ちょうどその時、携帯が鳴る。
『♬~♪~』
電話の持ち主は、毎日のごとく電話してくる母親からの電話である。いつものごとく結婚の催促だと思ったが、電話を取った。
『もしもし、愛?元気してる?』
「うん、元気だよ。いつもと変わらない」
『それなら、いいんだけど。愛が嫌なら、仕方ないんだけど・・・』
「まだ、結婚なんて考えることができないよ。今の環境を変えたくない」
『・・・分かったわ』
そう電話を終えると、ラジカセで大好き歌手の音楽を流し始めた。母親からの電話は、憂鬱で気分が下がってしまう内容ばかりだ。結婚の心配をしてくれる気持ちは十分理解している。わたしの同級生だなんて結婚もして子供もいる人だっているが、それはそれで十分楽しそうだけど、今のわたしはこの暮らしが十分に楽しい。胸を張って<楽しいです!後悔なんてありません>と言えるだろう。その日は、音楽をかけながら、寝てしまった。
翌日も、普段と変わらない日常を送る予定だった。しかし、会社に行くと、女性の同僚たちは、ざわついていた。
「ねぇ、どうしたの?」
横の席に座っている女性社員に声をかけた。
「あ、愛ちゃん。韓国に支社があるでしょ、そこから一人来たみたいなの。ここの会社、社員同士の行き来があるのよ」
私は、今年4月から新入社員として所属したので、まだ会社について詳しくは知らない。話を聞いてみると、この会社の支社が韓国にもあって、日本からも韓国に行ったり、韓国からも日本に来たりして、社員を交換したりしているらしあるらしい。
(「わたしも、韓国で仕事がしたいなぁ…」)
そう思っていると、所属長とどこかで見たことのあるような顔をした男性が部屋に入ってきた。まずは、所属長が口を開いた。
「みんな、注目!仕事中に申し訳ないが、今日からここに配属する仲間を紹介する。韓国支社から来たキムくんだ。」
所属長は、キムに自己紹介するよう手招きした。
「はじめまして、キム・ヨンファと言います。よろしくお願いします」
その男性は、気のせいか一瞬わたしのほうを見て、ほほ笑んだ。
(「あ、この前の人だ…!」)
そう彼は、土砂降りの中、わたしが不注意で滑りそうになっているところを助けてくれたイケメン君だ。
(「韓国の人だったんだ」)
部長は、空いている席があるか見渡し、わたしのほうを見た。
「村山君、君の横空いているね。キム君、そこを使いなさい。」
わたしの席の列は、3人ずつ座れるようになっていて、
わたしは、真ん中の席だったので、
片方は空いていたので、キムさんは、そこの席で仕事することになった。
キム君は、席に荷物を置き、わたしに話しかけた。
「お世話になります。キムです。」
キムは、手を差し出した。キムの手は、厚くて大きい。
わたしも、挨拶代わりに握手するため、立ち上がった。
「こちらこそ、よろしくお願いします。村山愛といいます。」
少しぎこちなかったが、笑顔で交わした。