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自由の化身
「あの、あの。落ち着いて頂けると幸いです」
あー、わりとコミュ力ついてる気がする。
なんだろうな、悪い人ではないっぽいけど面倒臭い。人の事を言えた義理じゃないけど。
「あっはー!ごめんよーつい嬉しくてね!」
「げ、元気な人ですね」
「えー、誰が?あっ!私ぃ!?」
嗚呼くそ!めんどくせぇ!
月陽は内心イライラしまくっていたがそれでもさっきの演奏が脳裏にチラついてもう一曲聞きたいと言う欲もあった。
「プロ目指してるんですか?」
「分かんない。今急に決めなきゃ行けない事じゃないし、好きだからやってる」
「そうなんですね」
キッパリと言いきれる事を私はあるだろうか。
自由ってこの人の事を指すんだろう。
私は所詮夜桜の腰巾着に過ぎない。
月陽は次は自分から何かに誘おうと思った。




