新しい好きな事
「辞めるのが名残惜しい」
冷蔵庫の中を確認しながらボソッっと呟く。
「どハマりだね」
ニマニマ笑いの夜桜がまな板と、包丁を引き出しから出しながら相槌を打つ。
「えーと、何があるかな?」
月陽は聞こえないふりをして、鶏肉を取り出す。
「何なら今から買いに行く?」
鶏肉を持って固まった月陽をみて、夜桜が尋ねる。
日が暮れてると言ってもまだ6時前、行って帰ってもそんなに遅くはならないと思う。
そうすると、ゲームする時間が減るのではと思い、献立を考える。
「もう遅いし、あり物で作ろ」
「誰かさんがゲームに夢中になりすぎてね」
「もー、悪かったって!」
「冗談、冗談。今度は一緒に出来るやつやろーね」
「対戦ゲーム?」
「うん。多少練習はいるかもだけど」
「……辞めれなくなりそう」
「じゃ、辞めるの?」
「……明日買ってこようかな」
「あー、でも残念明日バイトだぁ」
「それは、バイト頑張って」
「むー」
それからたわいのない話をしながら作ったのは唐揚げ。
夜桜も月陽も料理は人並みに出来るため、油はねが怖いとかそういうのもなく出来上がる。
しかし、野菜がない。
たまにはいいやと意見合致し、食べ始める。
噛んだ時に油がジュワッと溢れて肉の甘味を、少し塩を付ければ味が引き締まり、ご飯が進んだ。
「夜桜今日泊まるんだよね?」
「うん」
「明日バイト何時から?」
朝イチなら夜更かしはしない方がいいね。
「朝イチで昼まで」
「明日来る?」
明日はゲーム買って遊ぼうと思うけど夜桜は一緒に居れるかなーと、思い聞いてみる。
「うーん、どうしよ。あーでも、家の方居るわ。あんまり家帰んないと煩いし」
夜桜は渋い顔をして、小さく両手を開いて首を振る。
「分かった」
ちょっと残念だと思った。




