プレゼント
「別に宿題はまだ焦んないで良くない?」
月陽はカレンダーをみて春休みの日付を大まかに把握する。2週間はある。
「そうだけど、ねぇ」
夜桜はしりすぼみに目を逸らし曖昧に答える。
少し考えてみる。夜桜は今まであんまり無駄な事しないから宿題を口実に目的があるのでは。
「ねぇって言われても困るんだけど。何、会いに来る口実?」
「つ、月陽は鈍感なのに察しかいいな!」
誤魔化せたと思われてたなら心外だ。
ワタワタと手を振り微妙に答えをはぐらかす。
美人の子供っぽい行動ってありだな。
「あ、当たり?……乙女じゃん」
「悪い?」
拗ねたように言うもんだから虐めたくなるけど、悲しまれるのはNG。
だから、こっちも少し素直に答えてあげる。
「ううん、嬉しいよ。でも朝から来るってことはどっか遊びに行くの?」
「ううん。今日は行かないかな、その代わり…」
嬉々とし始めた夜桜は鞄から箱を取りだした。
「ゲームやろう!」
月陽の目の前に見せつけたのは最新ゲーム機だった。
ゲームに疎い月陽でも知ってる有名メーカーのものだった。
「…買ったの?」
「いや、当たった。元々持ってない時に応募しててさぁ、その後すぐに買える機会があって買っちゃって。で、今朝これが届いたの」
「えっ?くれるの?」
ちょっと気が引ける。施されてばかりな気がするのですが。
「そのつもりで持ってきたんだもん」
だもん、とか。私に効くからやめて欲しい。……いいぞもっとやれ。
「いいの?」
「貰ってくれなきゃ困るよ。引け目があるなら貸しにしとくよ、10個分位の」
夜桜の無茶ぶりを少し期待してゾクゾクするけどそれよりも私の為にって事が何よりも嬉しくって
「ありがとう、大事にする」
月陽は涙混じりに感謝を述べた。
夜桜はギュッと抱きしめてきた。
驚いたけどそれ以上に暖かかった。




