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世界が1つ広がった
人、人、人。ここは教室の騒がしさとは別の感じがする。これが、賑やかってやつなのかな。
川辺付近でレジャーシートを敷いて桜を見上げながら飲み会してる集団が中々見かける。笑顔で楽しそうだ。
「月陽さーん、にまにましてますよ」
そう言われ慌ててほっぺをぐにぐにする。
「……あー可愛いなぁ!もう!」
「いきなり何!?」
「なんでも!…それよりどう?ワクワクするでしょ」
夜桜の言葉を聞きつつ月陽は周りを見渡した。クルリと舞うようにゆっくり一回転。
周りにはどう思われたかな。ただはしゃいでる高校生に見られてるのかな。それでもいいと思えるのは祭りの空気に当てられたらかも知れない。
世界が1つ広がった。
「夜とは別の世界だ」
「いい世界だろう?」
おどけた口調でわざと下から覗いてくる。
「うん、1人じゃないからだろうね」
風が吹き木々が揺れる。
乱れた髪の毛をかき揚げてそう言って夜桜を見やる。
夜桜はボンッと顔を赤くしてフリーズした。
……周りの迷惑だから動いて欲しい。




