楽しみ方
写真を撮ってあげて手を振って別れたらちょうど夜桜が到着したみたい。
まるでスーパーモデルだ。何故かズレてるサングラスに目を瞑れば完璧な人間がそこに居た。
黒スキニーにレトロな花柄のノースリーブトップスを合わせている。パンプスとバッグなどの小物も黒で統一していて大人っぽさが際立っていた。
周りの人は唖然としたり羨望やどこか嫉妬めいた目線を一身に浴びせていた。それのせいかどこか不機嫌そう。
「よっ、遅かったな」
「……クソう。守れなかった……ッ」
いきなり項垂れないでほしい、困惑するから。とりあえず話を聞いてみる。
「……何を?」
「こっちの話」
酷く落ち込んだ声で内緒にしよった。
「あ、そう。で、さ。えっとね。私は何をしたらいあのかな?」
月陽は急に恥ずかしくなってモジモジと落ち着きなく夜桜に尋ねる。
夜桜は何かボソボソ喋ったかと思うと、
「桜みて、綺麗だと感じて。そこらの出店の美味しそうなも食べてさ、それで良いんだよ。相変わらず難しく考え過ぎるね、月陽は」
見て感じて……共感して、楽しむ。何だか難しい。
「行こう、何食べたい?1つは遅れたお詫びに奢るよ」
目的を貰っても動けない月陽を動かすのはやはり夜桜だ。月陽は手を引かれるまま歩き出す。桜舞う日の下を。
「牛タン串がいい」
「これみよがしに高いのチョイスしたね……」




