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頼まれ事、フレームの中
月陽は写真を撮る人達の邪魔にならない様に端の方でページをめくる。
風がそよぐ。木々が揺れ桜の雨が降る。
風でパラパラとページがめくれてしまう。
普段ならムッとしたかもしれなかったが、今はそんな気分には鳴らなかった。
「……綺麗だな」
青空に桜が栄えて心が穏やかになった気分だ。
月陽は本を閉じて大きく深呼吸する。
「あの、すいません」
突然声をかけられて振り向く。
普段なら嫌悪感が先に来るのに、今はどうしたのだろうという気持ちが強かった。
女子2人組が、カメラを持って写真を撮って欲しいと頼み込んできた。
「ここを押せばいいの?」
「はいっ!お願いします!」
元気がいいな、それともはしゃいでるのかな?
「じゃ、撮るよー。はいチーズ」
2人はポーズを取って楽しそうに笑っていた。
いい写真だった。




