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またね
行きよりも深い闇を抜ける。
家に着く頃にはもう深夜だった。
時間が経つのがあっという間なのは初めてだったかもしれない。
知らず知らず疲れていたのだろう。
そそくさとベットに潜り込み2人とも直ぐに寝息を立てる。
翌日、
「じゃー、とりあえず帰るね」
「うん。その……」
またね。その言葉が喉元で止まってしまう。
言葉を伝える。
意識すればする程言い難い。
「またね」
それでも、どんなにか細い声であっても月陽は言葉を発した。
夜桜は微笑み、
「月陽、聞こえてるよ。またね」
そう言って名残惜しそうに夜桜は帰路に着いた。
月陽は達成感というか、満足していた。
「またね」




