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悪い子だ
ここら辺では桜並木だけじゃなくて、公園の中にも色んな種類の桜を見る事ができる。
シダレザクラ、ソメイヨシノなど、他にも色んな桜を見ることが出来る。
そんな市民公園を2人は回る。どんなに小さな音も響く。それほど静かなのは夜の公園なんて誰もいないからだ。
この公園に隣接されている図書館を月陽はちらりと見る。少しの憂いを覗かせて。
今の季節だけの桜の絨毯の上を歩く。
夜桜は地に落ちた桜を蹴りあげ桜後もう一度下から舞い上がる。
少し歩き疲れて公園のブランコに隣り合わせで座る。
夜桜はバックから缶を取り出し、
「喉乾いたでしょ」
といい、有無を言わさず、月陽に押し付けた。
暗くてよく見えないけど月明かりに照らせばそれはお酒だった。
「お酒じゃん」
「チューハイね」
「はぁ、ばか」
そう言って月陽は普通に開けて1口飲む。
てっきり拒否られると思ってた夜桜は呆気に取られる。
月陽はそれを見越して初めての飲酒を平然とやってのけたのだ。
「悪い子だ」
「お互い様」
缶をぶつけて乾杯をする。
同時のタイミングで一口。
顔を見合わせて同時に吹き出した。
笑い声が誰もいない世界で響く。桜を伴いながら。




