月陽の決断
何か変わる時、変わろうとする時。
それが良い事でも、悪い事でも。
精神的に疲れる。精神が摩耗すれば携えてる肉体も疲弊する。
それは前段階の時点でもそうらしい。
紺色と黒色とが混じり合う。風景も心象も。
「どうしたの」
優しい声が隣から聞こえる。
これから言おうとすることは確実に彼女を傷付ける。
私は痛みのその先に行きたい。
彼女の声はいつも私を震わすほどに嬉しくさせる。
安心させる。けれど今は、今だけはそれが辛い。
今後同じ様にこの声を聞かせてくれるかも分からない。
愛想をつかされるかもしれない。
突き放させるかもしれない。
そういう想像が巡る。因果応報になるかもしれない。
「……っ」
「……言辛いこと?」
時間が経てば経つだけ言葉は膨らんで喉を通らなくなる。
だから話そうとして、やっぱり声が詰まる。
夜桜の事だ。なにか察しは着いてると思う。なのに、優しくて、こんな時でも嬉しくて、苦しい。
私は力無く頷くしかできない。
このまま黙って、眠って、朝を迎えたらなんでもないよなんて言って終わらせれるかもしれない。
私が夜桜の完全なる1部となれば悩まなくて済む。
そうしようか。その方が楽だ。
弱い考えに流されてしまおうとした。
なのに、夜桜は触れれば壊れてしまいそうなガラスに振れるように私を抱き締める。
それは一瞬で、悠久の時に思えた。
夜桜は馬鹿だ。私はこんな事で立ち直れてしまうし、勇気を貰えてしまう。きっと、夜桜を怒らす。
言い淀んだ事を言わせてしまった自分を呪って欲しい。
私は既に呪われているから。共に。
「夜桜、私は夜桜の事なんにも分かってあげられない」
「そんな事……」
「そんな事あるの。好きだし、その、あ、愛してる。だから友達に戻って」




