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ほころぶ
鍋の材料をカゴに入れていく。
カートを夜桜に引かせ、次々といれる。
夜桜に任せると好き勝手入れるから。節約云々はなんだったのか。
ともあれいつもなら多いなと感じる肉も野菜も2人分と考えたら丁度いいのも不思議だ。
月陽は顔を綻ばせ夜桜に不思議そうにされる。
「なんかいい事あった?」
「えっ?」
「いや、ニコニコしてるから」
指摘されカッと顔が熱くなる。
「してない…」
「してたよー、天使の笑顔」
ニヤニヤ笑いの夜桜を睨む。
「ばか」
夜桜の手綱は握っていたつもりでも、つもりはつもり。
結局、お菓子やらインスタントラーメンなど好き勝手に入れるから2人とも両手いっぱいで帰る羽目に。
2人で並んで帰る。何も言わない横顔を見て歩く。
「ふふ、夜桜が女で良かった」
「ん?どゆこと?」
「多分夜桜が男だったら惚れてたかもね」
他意はない、タラレバだ。
惚れてはないが救われた。
混乱している夜桜に笑いかけてやる。
男女の好きは違うと信じたい。
この気持ちは好意であれど、愛ではないと。




