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おんな

エロ回。

BANにされてしまうかも。


2017/08 高城を鶴賀城に変更させていただきます。

     つきましては、妙林尼たちが遣って来るのに距離的・日数的に無理が生じていますが、そこはどうか目をつむってください。

【天正15年03月08日】


興奮が鎮まると、俄かに腕の矢傷が痛んだ。


文六を呼んで、小刀で矢じりを掘り出してもらう。もちろん、手当の前に手洗いをさせているし、傷口にも酒精の高い酒を吹きつけているけど、こんなものは気休めだ。


暇が見つかったら、石鹸や消毒用のアルコールに手を出そうと決意する。


そもそも俺が自分で傷の手当てをしているのは、この時代の医療が迷信じみたあんぽんたんなものであったからだ。枇杷びわやドクダミの葉を加工して薬草にした物ならまだしも、名の通った金瘡医きんそういが馬の糞を傷口に塗り込もうとしたのには肝をつぶしたものだ。


あんな医術では、救える人間も救えやしない。


とはいえ、今の俺では口出しもできやしない。この時代の人々からしたら、俺こそが世迷い事をほざいているようにしか聞こえないのだから。

実際、俺の配下連中でさえ笑い飛ばして忠告に耳を傾けやしないのだ。せめて手洗と傷口の洗浄だけはしろと言ってはいるのだけど……文六でさえ、守っている様子がない。


傷の手当てをすませてしまえば、ふっと気が抜けてしまった。

しょせんは15歳の体。

それに初めての戦。

身も心もクタクタに疲れてしまっていた。


ゆらゆらと舟をこぐ。


おおおおおおおお!


外で大きな声が上がった。


敵襲か?!


起き上がって表に出ると、ちょうど報せに来た文六と鉢あった。


「何があった?」


訊きながらも、俺はどうやら敵襲ではないようだと息を吐いていた。

それというのも、文六の顔に緊張がなかったからだ。


「鶴崎から妙林尼さま方が遣って参られました」


何用だろう? 俺は怪訝に思いながらも迎えにでた。


遣って来たのは女たちばかりだ。笑いさざめきながら歩いてくる。


元気なのは晴れて長年の無念を晴らせたというのもあろうし、戦でそれほど消耗してないというのもあるだろう。

前にも言ったが、史実では島津の最後っ屁ともおもえる反撃で、妙林尼が率いる日向後家はけっこうな犠牲を出しているのだが、俺が投石器をつくった効果もあって、怪我人こそだしたが死者は1人もだしてないのだ。


「わざわざのお出迎えをありがとうございます、孫次郎様。無事、鶴賀城を落とされましたようで」


妙林尼のところに伝令は走らせていない。ということは、何処ぞで監視していた者がいたのだろう。


「うん、それほどの手間もなかった」


「ほほほ、城を落としたというのに誇るでもなし。世の男どもに孫次郎様を見習ってもらいたいものです」


艶然と微笑む妙林尼から、俺は目を逸らした。


初見ではどうという魅力も感じなかったというのに、戦場で魅かれてからというもの、どうしても彼女を性的な目で見てしまう。


ハッキリ言おう。

妙林尼はエロいのだ。


年齢は30代の半ばだろう。15歳の俺からしたら年齢が離れすぎている。それでも、エロいのだ。全身から桃色の色気を発しているような感じがするし、ともしたら目が胸や尻にいってしまう。


そして、そんな視線を悟られるのが恥ずかしかった。


「俺を褒めたところで、何も出んぞ。そんなことよりも、妙林尼様こそ、女衆を率いてどうしたというのだ?」


つい、ぶっきらぼうな口調になってしまった。

しかし妙林尼は気を悪くした様子もなく言った。


「戦勝祝いではありませんが、お酒と食べ物を持って参りました」


「ああ、そういえば飯がまだだったか」


迂闊だった。配下の連中に、まだ飯を食わせていない。


相変わらず妙林尼に見惚れている文六に目をやると、ハッとしたような顔になってから


「粥だけはすすらせました」


俺が眠っている間に、しっかりと手落ちを埋めていてくれたらしい。


時に3月。日が暮れるのが早い。


煌々と松明が焚かれはじめた城に、妙林尼たちを招き入れる。


彼女たちは手早く煮炊きの支度をはじめると、テキパキと宴の用意を整えた。


配下の連中がヨダレを垂らさんがばかりに女どもを視線で追いかけている。


一応、俺は改めてお手付きは禁止だと言い含めておいた。ただし、相手の女の同意があれば目のつかない場所で励んでもいいとは伝えてある。


それほど待つこともなく、宴がもよおされた。


馬留まりでは、でかい篝火かがりびを囲んで配下の連中と女衆が騒いでいる。

今のところ問題は起きていないらしい。


俺はといえば、一室で妙林尼と差し向かいでいた。


『孫次郎様はお怪我をなされているのですから、お外はよろしくありません』


そんな風に言われてしまったのだ。

子供に対するみたいな扱いに反発をおぼえないでもなかったが、相手は妙林尼。言い返すこともできずに、俺は室内に連れ込まれた。


「さぁ、どうぞ」


妙林尼が俺の盃に酒を注ぐ。


彼女は何故だか、俺の横に位置を占めていた。しかも、侍女もなしで自ら俺をもてなしてくれているのだ。


酒を注ぐときに女の髪の匂いが鼻腔をくすぐる。あわせの胸元が近い。体温と、息遣いを感じる。


俺は固くなりながら、酒をあおった。


にごり酒だ。けっこう酒精がキツイ。

だが、俺は長宗我部の男。酒飲みの土佐の男だ。これぐらいの酒精ならば、いくらでも飲めてしまう。


「妙林尼も」


俺は盃を渡した。酒を注いでやる。


「ありがとうございます」


妙林尼はクイっと喉を反らせてあおった。


白い首筋に目が惹きつけられる。所作が美しい。


島津3将どもが。野村備中が骨抜きにされたのが嫌というほどに分かる。


それから無言で飯を食い、酒を飲んだ。

無粋だと笑わば笑え。


何度目か。妙林尼が酒を注ごうとしたところで、俺は強引に彼女を抱き寄せた。


「あ」


妙林尼が声を漏らして、酒が俺の胸にこぼれる。


燈明の灯影がゆらゆらと揺れている。

表で大騒ぎする連中の声が聞こえる。


妙林尼が俺の胸もとに舌を這わせた。


じれったく思ったのかもしれない。


そう思ってしまえば、男の矜持が刺激されて、俺は女を押し倒した。


服をはだけて、露わになった胸乳に掌をあてがう。


そして妙林尼の唇を吸おうと顔を近づけたところで……女の眼の様子に既視感をおぼえた。


それは、前世でよく見た目だった。

同じ病室にいた人々。ただ死を待ち、死を受け入れた、透徹とした『眼』だった。


「死ぬ…つもりか」


俺の言葉に、妙林尼の心臓が跳ねたのが掌に伝わった。


「何故だ? 鶴崎を取り返したあなたが、何故なにゆえ


「わたくしは…不義理をいたしましたゆえ」


「不義理だと?」


「島津の心を掴むために、体を開きました」


妙林尼がはじめて俺から視線を逸らして横を向く。


史実では。妙林尼は鶴崎城を奪還した後で、63の首級を大友宗麟に送っている。その武勇に興味をおぼえた秀吉は面会を希望したが、彼女はこれを断り、その後の行方は知れないという。


そう。知れないのだ。


「だから…死ぬというのか?」


良人おっとを裏切った女です。いくら仇を討つためだったといえども、陰ではそしりを免れませんでしょう。わたくしはそのようなことに耐えられませぬ」


いい女だった。

素晴らしい女だ。


「妙林尼」


俺は呼んだ。


彼女が真っ直ぐに俺を見る。


「これから、俺と勝負をしろ」


「勝負ですか?」


「そうだ。これから、俺はあなたを抱く。抱いて、俺なしではいられないようにしてくれる。そうなったら…死ぬな。俺のものになったと思うたのなら、死んでくれるな」


返事も聞くことなく、俺は妙林尼をがむしゃらに愛撫した。


そうして……いざ! という段になって己のモノが萎えていることに気づいた。


「くそ! くそが! どうして…!」


情けなさで涙がでる。


「孫次郎様」


そんな俺の悔し涙を、妙林尼は顔を近づけて丁寧に舐めた。


「泣かないでくださいまし。わたくしは死にませんから」


「まことだな」


「ええ、愛しいお方。わたくしはもう、あなた無しではいられなくなってしまいました。このように深く想ってくださるお方を残しては逝けませぬもの」


ふふふ、と妙林尼は優しく笑う。


「わたくしは、あなた様のものです」


妙林尼は俺を抱きしめる。


俺も妙林尼を抱きしめた。


唇を互いにむさぼり、横になった俺は、俺のものになった女の胸に顔をうずめた。

思い出したように唇を求める。


やがて俺は他愛無くも眠ってしまった。


「かわいらしいお方」


耳に妙林尼の声を聞きながら。

次回からは、再び殺伐とした世界にしたいと思います。


・・・焦りました!

高城の位置をてっきり鶴崎から西に進んだところだと思い込んでいました。

実際、鶴崎の西に高城という駅があるんですよ。

あ~、ドキドキしました…。


ちなみに秀長本体は3月上旬に小倉に到着したと史実ではあります。

僕のなかでは、それに先立って秀勝軍は船の利便がいい中津(後に中津城が築かれます)に物資を集積しつつ集合しているという脳内設定にしております。

どうか、ご了承ください。

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