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空想科学祭・五年間の軌跡  作者: 天崎 剣
空想科学祭2009(2009年9月~10月開催)

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2009ひとり反省会

 この年も期間内に読めなかった。ふがいない。

 一体全体、前の年に何を反省していたのか。


 苦しかった連載と同時の企画進行。これは、自分で作品を提出するというそのものに対し、何らかのけじめをつけなければならない時期が来ていると感じた。


 元々、この企画に関しては、冷たい視線を浴びせる人々も多くいた。

「企画の主催者は、作品を企画に提出してはならない」または、

「企画の主催者は、企画の賞レースに出場してはならない」という、何とも的外れと思えてしまう意見である。

 ネット上で行われている小説の競作企画で、主催者が小説を提出しないなんてものは、正直少ないのが現状だ。なぜ企画なんて面倒なことをやるのか、それは、何よりも「自分が楽しみたいから」に決まっている。だからこそ、自分の立てた企画に、自分で小説を書いて出す。それが、許されない雰囲気があった。

 開催されている企画に乗っかって、ワイワイ楽しみたいのは、みんな同じに違いない。しかし、そこに何を求めるかは、個々の自由だろう。

 その自由の一つとして、私は「主催者が小説を書いてみんなと同じように読者投票して貰う」ことに、何ら疑念を持たなかった。

「主催者は楽しんではいけない、あくまで運営に徹するべき」――それでは、ただのイベンターではないか。私は、「企画を催したい」のではなく、「企画を催して、その中で楽しみたい」のに。


 しかし、世間の目は冷たいものであった。


 前回、なまじ作品が好評だったこともあり、私はこの年も作品を書いた。そっちはそっちで、痛いくらいにいろいろ指摘されたし、罵倒されたが、書いて良かったと思っている。あの場でなければおそらく読んでいただけなかった種類の作品をわざと書いたからだ。

 元々、SF好きとは言っても、全くの初心者レベル、基本的なことも知らないのに企画を立ち上げたド阿呆である私の作品を、ケチョンケチョンにしてやったりと思った人も、少なからずいるに違いなかった。

 しかし、SFに詳しくなければ企画をやってはいけないなんていう決まりもないはず、科学には全く疎い文系だし、元々漫画家志望で小説はほとんど読んだことのない私だって、SF企画をやっていいはずだと、前向きに考えることで、自分を立ち直らせていくほかない。


 某巨大掲示板にて企画が注目されるようになったのもこの頃だ。企画の感想掲示板とは別のところで、企画の作品について感想を寄せるブログや掲示板があちこちに出来ていた。今はほとんど閉鎖されてしまったが、企画の感想掲示板に匿名でもいいから感想を書いて欲しかったなと、今でも思っている。

 企画内のトラブルに関しても、私よりもしかしたら、某巨大掲示板住人らの方が詳しいかも知れない。何かあればそちらで騒ぎ立てるので、私は必死に事態収束に努めようともがいたが、24時間体制など不可能で、苦虫を噛みつぶす思いだった。


 二年続けてみたが、次はどうしようか。やるべきか、やらざるべきか。

 当然迷った。


 しかし、私の背中をぐっと押してくれたのは、参加者らの、「次こそは」の声だった。

 感想人らのしっかりとした読み込み、作者らの真摯なレス。

「当然、来年もあるに違いない」前提の書き込みが多く、チャットでも、作者らのブログや活動報告でも、「またあれば参加したい」発言を散見した。


 やっと企画作品を読み終えるのは、2010年春。

 私は、全作品を読み終えないうちに、その年の開催準備を進めるのだった。

 


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