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空想科学祭・五年間の軌跡  作者: 天崎 剣
空想科学祭2009(2009年9月~10月開催)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

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空想科学祭2009事件簿

 50名近く参加者がいれば、なにかしら事件が起こる。

 どっかの小学生探偵じゃあるまいし、そうそう事件が起こるわけ……いや、起こるのが空想科学祭だったのである。

 毎度のことだが、記憶をたどって書くので、多少事実と異なることがあるかも知れない。その場合は指摘していただければ幸い。



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★「参加申請したものの」


 企画の参加者がとても多いので、リスト作成作業は意外に時間がかかる。

 また、あっちこっちで宣伝している手前、参加申請/辞退期限を過ぎてからは、参加者の変動がないように……と、書いたのだが。

 参加申請は期間後に来るし、いざ投稿期間に入ってから「やっぱり書けませんでした」……。

 リアルが忙しいのは皆一緒だ。私も、血の涙が出るほど忙しかった。

 だからこそ、しっかり先を見定めて参加申請を出していただきたい。

 ちなみに、この現状は今も変わらない。毎年、何人かが作品を投稿することなく、また、投稿したとしても完結させることなく企画を終える。

 あらすじをいただいて、バナーをつくって、面白そうだなと期待していた作品が未完のまま、あるいは投稿されずに祭りを終えてしまうのは、何ともわびしいものだ。


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★「あれ?! 『小説家になろう』がなんか変だ!」


 2009年10月から、「小説家になろう」はリニューアルしてしまった。

 なんと、作者ID形式がW****Aから、通し番号へ。メッセージ送信方法も投稿のやりかたも、がらっと変わった。

 開催期間は9~10月。せめて企画が終わってからだったら……などと、こちらの都合を言ったところでどうにもならず、慣れない作者ページに悪戦苦闘。

 今でこそ見慣れたページも、変わったばかりの頃は使いづらく、苦労したのだが、さて、覚えている方はどれほどいらっしゃるだろう。もしかしたら、「古参」の境目はこの辺りなのだろうか。


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★「な、何作投稿するんですか?!」


 参加作品には制限がなかったあの頃。私はきっと、見くびっていたのだ。あの、「尚文産商堂」という男を。

 批判しているのではない。あまりの数に、呆然としてしまったのだ。

 その数13作品……。全てが掌編でない、きちんと長編も中編もあったというのがミソ。

 あれ、この人はこんなに書くんだっけかと、目を疑う量に、呆然とした。

 次の年から、作品数に制限が出来たのは、言うまでもない。


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★「レビュー・感想掲示板トラブルで、参加者が退会?! 感想人が以降の書き込みを放棄?!」


 2008年にもあった、感想掲示板関係のトラブル。

 当然、感想人は真剣に感想を書く。作者Cさんは、その真剣さに耐えられなかったのかも知れない。

 朝になってトラブルを知り、パソコンの前で唖然……。

 作品削除、作者退会。

「なぜ引き留めなかった」

 確か、そんな怒号も。

 しかし、考えてもみて欲しい。こちとら、仕事をしながら子育てをする主婦である。寝なければ生きていけない。24時間監視しろとでも言わんばかりの突っ込みもあったが、私だって生活しているのだ。まして、企画運営を生業にしているわけでもあるまいし……。


 要約すると、まず、Cさんの作品にDさんの感想が寄せられた。どうやら、「この作品は某アニメに似ているな」とのこと。Eさんも、「Fというアニメに似ている」と。

 それに対し、別の作者GさんがDさんは上から目線であるとか、決めつけるなだとか、掲示板とGさんのブログにて反発。Dさんは、そう言われる筋はないと、反論。(ログ消失のため詳細不明)

「Eさんが思い浮かべたアニメと、私の思い浮かべたアニメは別物だ」

「感想は作者のためだけに書き込んでいるのではない」

 感想書き込みに対し、不快感を感じたGさんは、自身の書き込みを削除、作品辞退も削除した上で、なろうを退会。

 加えて、感想人Dさんも、それまで書いた感想を削除、企画作品に対して以降の感想書き込みを放棄。

 とばっちりをくらったEさんも、該当する感想を削除。

 なんということを……。

 お願いだから、感想云々でトラブルは、やめて欲しいものだ。

 感想は、作者だけのものではない。これから読む人にだって、大切な指標になる。共有財産みたいなものじゃないか。

 胃が、胃が痛い……。

 このことが原因となり、次回2010年では、「感想」の扱いそのものが問題となってしまうのだ。

 

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★「誰が一番手?」「10万字ギリギリに迫る!」


 投稿初日、誰が一番最初に投稿できるかを争っていた当時……予約投稿機能がなかったので、エンターキーのタイミングで投稿順が決まっていた。男性参加者数人が、競ってこのゲーム(?)に参加し、誰が一番最初に作品を挙げるのか、チャットで見守っていた。

 同じように、長編投稿締め切りが迫ると、今度は「誰が一番10万字に近いか」チャットで観察。10万字という区切りは、あくまで長すぎないようにするための目安であり、そこにこだわることはないはずなのだが、やはり男性参加者数人が盛り上がっていた。

 俊衛門さんの長編「黄海に消ゆ」10万字ジャスト。次点、小田中慎さんの長編「TP−TC」。

 こういう楽しみ方もあるのね、と、頬が緩んだのだった。

 

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★「間に合わない!」


 社会人、学生、いずれにしても、日常生活と並行しての執筆であることに変わりは無い。企画期間は長いのだが、そこにどうやって自分の生活を合わせていくか、スケジュール管理が大切になる。

 惜しい作品があった。

「緑の冠」はほんの少しだけ、間に合わなかった。

 締め切り間際、チャットで経過を見守っていた参加者数人、間に合うかどうか、固唾をのんで「なろう」のTOPページを見つめていた。一作、また一作とアップされていく。中には、「ダメかも知れない」といいながら、励ましに支えられ、必死になって書き上げていく人も。

 それでも、ほんの少しだけ、間に合わなかったのだ。

 同じく、「あるAIの詩」も、更新手続きが出来ず、日付をまたいだ。

 どちらの作品も、完成度が高く、本当にもったいなかった。しかし、当初から締め切りに間に合わない作品は選外であると予告していたため、事情をくんでも譲ることは出来なかった。

 本当にもったいない。

 このようなことが二度と無いよう……毎回、祈るような気持ちで、チャットにて見守っている。

 

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★「イラコン中止です……」


 イラストコンテストも同時開催していたが、一回目よりも投稿数少なめ、結局、イラストコンテスト自体をやめることに。

 投票もしていただいたが、とてもじゃないが数が足りなすぎて……。

 全く、無念の極みである。


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 思い返せば、いろいろあったものだ。

 何もない年はないのですか? ……ない。

 それでこそ空想科学祭と思って、あきらめることもまた、大切かも知れない。


5/24作者退会事件の内容を整理し、追記しました。

事実誤認あれば、ご指摘ください。

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