空想科学祭2008事件簿
大人数が集まってイベントをすれば、必ずと言っていいほど、トラブルはつきものである。
知らなかったという方が圧倒的多数だと思われるが、注意書きが長々と羅列されるようになったのには、きちんと理由があるのだ。
他人事とは思わず、興味を持っていただければ幸い。
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★「あのぅ、ここは出会い系サイトではないんですよ……」
とある男性作者Aさんは、チャットの常連だった。チャットというものがとにかく好きらしく、他のチャットにもよく出入りしていた。
SF好き同士、仲良くやっていただきたいと思って設置していたチャットだが、Aさんはなぜか、片っ端から性別と年齢を聞きまくった。女性と知るやいなや、とにかくしつこくプライベートに突っ込んでくるものだから、とうとう女性側から、果ては同性からも苦情が……。
最終的に申請期間終了前に参加辞退ということで落ち着いたのだが……、こういうことにチャットを利用されるとは思いも寄らなかった。
チャットは、性別や年齢、経験を越えた、純粋なSF好き同士の交流の場であって欲しいものだ。
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★「顔文字の荒らしがチャットに発生?!」
果たして、上記の事件と関係があったのか不明だが、当時のメール送信履歴を見る限り、名前の欄に顔文字、正体不明の輩がチャットに侵入したらしい。
意味不明な発言や同一質問の繰り返し、話題を引っ掻き回す……。
盛り上がっていることに対して、不快感でもあったのだろうか、当時レンタルしていたチャットでは強制退出やブラックリスト追加などの措置が執れなかったため、やむなくパスワード付きのチャットを別に用意したようだ。(それがのちのなりきりチャットへと発展したのかな?)
荒らしが出ない限り、元のチャットを利用してくださいねと書いているので、かなり困っていたことがうかがえる。
今は荒らし対策が出来るシステムを利用しているが、それでもこうした被害は完全には防げない。
また、二十四時間体制で見張っていることも出来ない。
利用者のモラルの問題であることは間違いないのだが、なるべくなら、こういうトラブルがないように目を光らせたいと思う。
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★「あ! 感想が削除されてる!」
当時、確か恋愛や女性向けファンタジーで人気のあったある作者Bさんは、普段からかなりの感想を貰っていたようだ。当然、この企画においても、ファンと思しき方から投票や書き込みが多数あり、人気を博していた。
しかし、企画に参加すると、どうしても、普段とは違う読者が作品を読みに来る。ましてや、SFというジャンル、読者の目線は厳しい。
SFとファンタジーとの境目に関しては、いつも話題の中心にある。Bさんの作品はまさに、この境目ギリギリの内容だった。加えて、SFであるためには、矛盾点の整理や事象の科学的説明が不可欠、この点を読者が突いてしまったのだ。
もちろん、素直な感想であるから、読者を責めることは出来ないはず、なのだが……。
どうしても許せなかったのかも知れない。
ある日突然、何の通告もなく作品が削除されていた。作者のアカウントも、よりによって、読者が心を込めた感想掲示板の書き込みまでも!
「削除された小説のレビューを消すのはどうなのでしょうか?
○○のレビューが見当たらないので……」
読者の方に匿名で寄せられたメッセにより、初めて事態に気づいたが、時既に遅し。
Bさんのメルアドもわからない状態では、どこにぶつけたらいいかわからない憤りで、ため息をつくしかなかったのである……。
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他にもいろいろあった気がするのだが、なにせ、嫌なことはすぐに忘れてしまうのでこのくらいで。
これらにより、チャットでのIP表示や感想掲示板の削除修正用パスワード廃止となったのは、言うまでも無い。
また、事例は全て私の記憶によるものなので、事実と違うという場合は、ご連絡いただきたい。
最後くらい、トラブルないようにと、祈るばかりである。




