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仮想現実の世界で自由な旅を 【完結】  作者: からくり
chapter1

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ep.98

『うん、綺麗になった』

「助かったよ、ミウロゥ。ところでクランはどこに行ったんだ?」

『さぁ?』


さぁって……


「あんなの放っておいて行こ、パパ」

「そうですわね。お父様がロクトの御者をやっている所を見てみたいですし」

「え、お父さんが御者するの? 私も隣で見たーい!」

「いや、流石に放っておくのはマズイだろ」


周りを囲まれながらどうしたものかと思っていると、


「こらー! このボクだけ放っておこうなんてそうはいくものかー!」

「「げぇ……」」

「はしたないですわよ、2人とも」


砂埃を巻き上げながらクランが走ってきた。

あの様子だと……謁見広場から走ってきたようだな。


「全く……油断も隙もあったもんじゃないよね!」

「……お前、どうやってここまで?」

「そりゃ走ってきたに決まってるでしょ! リンコニったらボクだけあえて移動させなかったんだからさ! とりあえずぶん殴ってここまで頑張って走ってきたんだよ!」

「まぁそのなんだ……お疲れ」


ぷんすかしてるクランの頭を撫でると、少しずつ落ち着いてきたようで、


「まったくもう! 仕方ないんだから! もう!」

「……エルナ、アレやってもいい?」

「私はやってもいいと思うんですよ」

「ダメですわよ、2人とも。こっそりやらないと」


物騒な会話をしてるな、おい。

というかルクチはどこに……


「ってそこにいたのか」

「チュンチュ」

「なーんか言葉わかってるっぽいんだよなぁ……」


ロクトの頭の上でルクチが毛ずくろいしていた。

呑気というか大胆というか……ロクトも気にしてないっぽいし、別にいいのか?


「まぁいいか。とりあえず王都に向けて出発しよう」

「結局王都のどこに向かうかまでは分かりませんのね」

『行けばわかるよ。ここか、ってね』


ニヤリと笑いながらミウロゥがそう言う。

そう言うならそうなんだろう。


「さぁ乗って乗って! 王都までは一直線で行けるからすぐに辿り着くよ!」

「ボスモンスターは倒さなくていいのか?」

「再戦でも希望するの? あのスライムとゴリラに? 別にいいけど、高いよ?」

「いや……倒さなくていいならそれでいいが」


そういえばサリアがボスラッシュするとかなんとか言ってた記憶があるが……傭兵で稼いでるんだろうな。


「ん」

「……一応聞くがその手はなんだ、リルナ」

「パパ、乗せて?」


小首を傾げて言ってくる。


「……可愛くおねだりしてもダメだぞ」

「そう言いながら乗せてあげますのね……」


仕方ないじゃないか。

あんなキラキラした目を見せられたら断れる親がどこにいるか。


「わ、私は1人で乗れますから!」

「そんなこと言ってないで、ほら」

「ぅわぁ!」


レルナも乗せたし、あとは


「ってもう乗ってるし」

『まぁ流石にね。自力で乗れないことは無いし』

「言ってくれればいいんだぞ?」


苦笑いを浮かべながら奥へと入っていくミウロゥ。

で、乗ってないのは俺とエルナだけだが……俺は先に乗り込んで、エルナへと手を差し出す。


「どうぞ、お嬢様?」

「あら、私は持ち上げて貰えませんのね?」

「それがいいならそうするが……こっちもいいだろ?」

「言ってみただけですわ」


クスクス笑いながら俺の手を取りふわりと乗り込むエルナ。

さて、王都に戻るとするか。

今回もお読みいただきましてありがとうございます。

クランならマグマの上も走っていけるし、空だって走ってる。

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― 新着の感想 ―
馬車が出てきてから、馬車を運転する人が『行者』や『業者』だったりするのが気になる。馬車の運転者は『御者(馭者)』だと思うのだけどなぁ。
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