攻略対象その五の婚約
フェリクスに、婚約者が決まったらしい。
一応、魔除けのためまだ女の子として育てるらしいが…お相手はもちろん女の子。
そして、近々ちゃんと報告に来ると連絡があったのがついこの間のこと。
今日、フェリクスと会う予定だ。
馬車がついて、フェリクスが降りてきた。やっぱり可愛い。女装男子、天使。横を見れば、アナトールが目を丸くした。
アナトールには、フェリクスの事情は説明しているのだけど…?
「アナトール、大丈夫?」
「…エリアーヌ、あの子はエリアーヌの好みか?」
ああ、なるほど。私がアナトールの部屋や服を選んだから、好みは分かっていると。
あまりにも私の好みそうな子が来て、動揺したらしい。
「ふふ、ええ。そうですわね」
「そんな…」
「でも、私が愛するのはアナトールだけですわ」
私がそう言えば、心底ほっとした様子のアナトール。可愛い!
「お久しぶり、エリアーヌ様」
「お久しぶりです、フェリクス様」
「運命の番、見つかってよかったね。おめでとう」
「ありがとうございます、嬉しいですわ」
フェリクスに祝福されて、とても嬉しい。
「えっと、君がエリアーヌ様の婚約者?」
「はい。アナトールと申します。よろしくお願いします」
「うん、僕はフェリクス・ガエル・エマニュエル。よろしくね」
上手くすれば仲良くなれそうな二人の様子に、とりあえず三人でお茶会をすることに。
「改めて、二人とも婚約おめでとう」
「ありがとうございます」
「ありがとう、フェリクス様」
「僕もね、婚約者が決まったんだ」
「ええ、おめでとうございます」
私がそう言えば、フェリクスははにかむ。
「ありがとう。僕の事情を分かってくれる、心優しい女の子が相手なんだ。エリアーヌ様以外にも僕を受け入れてくれる人がいるなんて、思ってもみなかった」
「フェリクス様…」
「…それは、よかったですね。おめでとうございます」
アナトールがそう言えば、フェリクスはさらにはにかむ。
「えへへ、ありがとう。…早いと思うんだけど、僕はあの子を好きになっちゃった。運命の番である、二人にあやかりたいな」
「ふふ、恋に遅いも早いもありません!たくさんたくさん愛情表現をすると良いと思います!」
「うん、そうするよ」
その後散々フェリクスの惚気話を聞かされて、フェリクスが帰っていくのを見送った。
ふと、横を見れば、アナトールが少しむすくれていた。理由はわかってる。フェリクスが、あまりにも私の好みド直球だから嫉妬してくれているのだ。
そう思うと、喜ぶところではないのだけどどうしても嬉しい。好きな人からのヤキモチは、可愛いし嬉しいのだ。




