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悪役令嬢脱出計画

「ということで、まず攻略キャラクターその一」


これは簡単。


オードリックの呪いを解くためのアイテムを手に入れたらいい。


大金を払って解呪の鱗を買えば丸く収まる。


ちなみに解呪の鱗はなかなかのレアアイテムなので高いが、私ならお小遣いで買える。


「攻略キャラクターその二」


これも簡単。


カジミールの怪我を治すためのアイテムを手に入れたらいい。


大金を払って、魔女の万能薬を買えば丸く収まる。


ちなみに魔女の万能薬も高い。だが、私ならお小遣いでこちらも買える。


「攻略キャラクターその三」


これは難しい。


シャルルは母を亡くし心に傷を負っていた。


その心に寄り添う必要がある。


優しくすることを心掛けなければ。


「攻略キャラクターその四」


これも難しい。


エミールは商人の両親が嵌められて罰を受けそうになった時、助太刀する必要がある。


介入するタイミングも見極めないと。


「攻略キャラクターその五」


これも難しい。


フェリクスは女装男子。それを笑わず、認めて、優しくする必要がある。


…でも、女装男子っていいよね。


「そしてヒロイン」


エミリー。これも難しい。


エミリーの両親が強盗に襲われそうになった時、颯爽と現れ助けてやればおそらく恩は売れる。けれど、タイミングが難しい。


「…まあ、とりあえず方針は決まったわ」


まずは解呪の鱗を手に入れて、オードリックに会おう。


その後すぐ万能薬も買って、あとは他のキャラクターも順に救おう。


たしか、オードリックとは近々婚約を前提に会う予定だった。


解呪の鱗をすぐ手に入れないと。


そして、呪いを解く褒美に婚約はナシにしてもらおう。


「…うん、なんとかなるわ」


あと、今までわがまま放題だった生活態度も改めてましょう。大丈夫、私悪い子じゃない。悪役令嬢にはならない。大丈夫。


「それと…出来たら私の、運命の番も見つけたいわよね」


まあ、探して見つかるものでもないらしいけど。


「出来たら、運命的な恋もしてみたいわ」


まあ、第一優先はあくまでも破滅の回避。運命の番探しはその延長線上だけれど。


「お嬢様!お医者様を連れて参りました!」


「あら、ありがとう」


「え、お嬢様がお礼を言うなんて…そんなに頭が痛いのですか!?」


「…失礼ね。大丈夫よ、もう痛くないわ」


「それは良かったです。しかし、一応診察致しますね」


こうして私は、頭痛からは解放された。その代わりに、悪役令嬢としての運命を回避する必要に迫られた。


「…とりあえず、頭痛は治まったようですな。お薬を出しておきますので、痛くなったら飲んでください」


「ありがとうございます、先生」


「いえいえ、それでは」


「…お嬢様、本当に大丈夫ですか?」


「ええ、心配ないわ」


なんだかんだでこの侍女は、私を大切にしてくれる。


「それより、私欲しいものがあるの。商人を今すぐ呼んで」


「かしこまりました。何が欲しいのでしょうか」


「解呪の鱗よ」

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