まずは部屋の用意
「お嬢様、お待たせ致しました。こちら、まずはご要望の家具からご用意させていただきました」
「まあ…!どれも質の良い物ばかりね。さすがですわ」
「商人として当然のことです」
「アナトールは希望はありまして?」
「希望…エリアーヌが選んでくれた物を使いたい」
可愛いことを言ってくれるアナトールを思わず抱きしめる。
「ふふ、大好きですわ!愛していますわ!」
「俺も好きだよ」
「でもそうねぇ…どれも一流の物ばかり。ならば後は個人の趣味で選ぶことになるけれど…」
…ふむ。やはり趣味に走るならば。
「落ち着いたデザインの物ももちろん良いけれど…やはりロマンティックな姫系家具…大きくなったらその時は買い換えるとして、今はまだ姫系家具も似合うはず…いやむしろ絶対似合う。薄幸系少年に姫系家具…うん、アリ、大アリ!!!」
「…?」
急に騒ぎ出した私に首をかしげるアナトール。そんな仕草も大変グッド。
「失礼ですがお嬢様。姫系家具、とは?」
「これとかこれみたいなロマンティックな雰囲気の家具ですわ。女の子向けが多いけど、この色合いなら男の子でもいけますわよね!よく持ってきてくれましたわ!ありがとう!」
「いえいえとんでもない!お役に立てたならば何よりです!…姫系家具、なるほど売り文句としてはアリだな」
エミールの父親はなにか頷いていたけれどどうでもいい。急遽私の部屋の隣をアナトールの部屋にすることにしたので、そっちに気に入った家具を全部運んでもらう。
「ベッドもソファーもドレッサーも、タンスもカーテンもカーペットもなにもかも全部姫系!それでありながら色は、白を基調とした部屋によく合う男の子でも使いやすい淡いブルーや濃いブルー!うん、私的にはとっても理想的!」
メルヘンでロマンティックな雰囲気の、でも男の子でもそれなりに使いやすい部屋になったと思う!のだけど…!
「アナトール、あの、どうかしら?私的にはとっても良いお部屋に仕上がったと思うのですけれど…気に入りまして?」
私がそう問えば、アナトールは少し悩ましげな表情。なにかダメだったかしら…?
「んー…ベッドもソファーもとってもふかふかそう。それだけでもう十分。でも敢えて言うなら…家具を見れば可愛らしい部屋だけど、色味が穏やかで静かな感じだからすごく落ち着く部屋になってると思う。少なくとも孤児院の相部屋とかよりは居心地いい。孤児院も別に嫌いじゃないけど」
「そ、そう?悩ましげな表情だったけど…」
「なんというか…部屋の評価とか、正直言葉にして話すのはなんか難しい。それだけ。部屋は気に入った」
「そ、そう!よかったですわ!」
とりあえず必要な家具は全て揃えて運んだので、次は衣服だ!




