商人の両親が嵌められて罰を受けそうになった時、助太刀してくれた女の子
俺はエミール。商人の息子だ。両親はかなり幅広く、色々な分野の商品を取り扱っている。
俺は両親の誠実な働きぶりを見てきて、憧れていた。人々のために働く姿はかっこいい。
そんな両親なのに、ある日やってもいない悪行を突きつけられて訴えられた。
両親は、相手が名のある商人だとわかると勝てっこないと意気消沈してしまった。
俺はどうなることかと思っていたが、ある日懇意にしていただいている公爵家のお嬢様が両親に有能な探偵と弁護士を付けてくれた。
「こ、これなら勝てるかもしれない…裁判で戦おう」
「ええ、あなた!」
「…よ、よかった」
お嬢様の助太刀のおかげで、気力が湧いた両親に俺はほっとした。
そして裁判は、探偵さんの見つけた証拠を元に弁護士さんが戦ってくれて、反対訴訟までしてくれて、有利に進んでいる。
「こんにちは、商人さん」
「お、お嬢様!この度は弁護士と探偵をこちらに派遣していただき、本当に、本当にありがとうございます!」
今日俺は、両親が助太刀してくれたお嬢様に呼び出されたので付いてきた。どうしても、お礼を直接言いたくて。
「解呪の鱗や魔女の万能薬。手に入れるのが中々難しい品を、商人さんはいつも私の元へ届けてくれましたわ。恩返しがしたかったんですの」
「そ、そんな恩返しだなんて…」
「いつもありがとう、商人さん。これからもよろしくお願い致しますわ」
「…はい!ありがとうございます、お嬢様!」
そろそろ出てもいいだろうか。両親の後ろから飛び出した。
「…あ、あの!」
初めてみたお嬢様は、とても可憐な方だった。
「なにかしら?」
「この度はありがとうございます、お嬢様!俺はエミールって言います!どうしてもお嬢様に直接お礼が言いたくて、付いてきてしまいました!」
「ふふ、そんなにかしこまらなくていいですわ」
「本当に、本当にありがとうございました!お陰で悪徳商人を逆に追い詰めることまで出来ました!これで安心して両親が仕事を続けられます!」
有りっ丈の感謝を言葉にする。
「私はただお小遣いを使って、弁護士さんを雇って探偵さんを雇っただけですわ。本当に頑張ったのはご両親ですわ」
「はい…けど、悪徳商人に嵌められて意気消沈していた両親が、戦おうと覚悟を決められたのはお嬢様の援助があったからです!それまでは両親は諦めムードで…お嬢様のおかげで、気力が湧いたんです!だから、ありがとうございました!」
俺のそんな言葉に、お嬢様は優しく微笑んでくれた。
その後裁判では結局、両親の潔白が証明された。そして、むしろ悪徳商人が裁かれる結末となった。多額の賠償金に、悪徳商人は苦しんでいるらしい。これを機に反省して、一からやり直して欲しいと思う。




