8魔法
「あ、ああ。それで、今日は商談でも?」
「スウに会いに来たのが本命だな」
「わーう」
流石、シウキアードさん。私もまたお会いできて嬉しいです。ところで、商談とは?
「気になっているかと思ってな」
「お?」
「中央のから借りてきたぞ、魔力測定の魔道具だ」
「あーい!!」
待ってました。魔法、使いたいんです。折角魔法があるんです。今度こそ、使えるでしょう。ライ様は測定道具に影響が出てしまうということで、退出されました。また、後でー。
「・・・」
「まいったな」
泣きそうです。泣きます。
「ひいっく」
「スウ様」
「りー」
残念、無念。魔法は使えません。また、魔力無しですよ。えー。折角、ケリーに産んで貰ったのに!!うわーん。ケリーが抱き上げて慰めてくれます。
「悪かったな」
「んーん」
ぐすん。いえ、善意で持って来て頂いたんですから。きっと、魔法が使えて喜ぶだろうと、わざわざ借りて下さったんでしょう。うう。この身体はどうなっているのやら。ちょっと、嫌な予感がしますよ・・・。
「なんでまた、俺を伝令にするんだかなー。スウ。今、北の赤い地域に住んでるって言えば分かるか?」
「・・・お」
分かりたく無いですが、分かりました。前世と同じように私は特性を発揮していますか!折角、魔道具の発展を目指したり、魔法をばんばん使えたりすると思ったのに!!!
「中央のが推測したんだが、もしかしたらスウは産まれなおしたというよりも、夢から覚めただけだというんだ」
「スウ様に影響は?」
私が何かを言うよりも先にケリーが素早く問いかける。
「無いだろうと。だが、以前と殆ど変わりない成長となるだろうってことらしい」
「う」
それは残念ですが、まあ性格はそこまで変わっているようには思えないですし、身体も一緒だと思えばそんなに気にすることでは無さそうです。
「気にならないですか?」
「う」
「そうなのか?」
「う」
平気、平気。さあ、ライ様を呼び戻して商談しましょう。