7歩く
幼子の成長というのはとんでもないですね。翌日あっさり立てました。
「スウ様! 素晴らしい」
「えへ」
ケリーの満面の笑みとお褒めの言葉に、私はご満悦の表情でしょう。会いに来てくれる、全員に立っている所を見せ、さあ次は歩きますよ。
毎日立ち上り、たまに四足に戻ったりしながらようやく歩けるようになった頃、懐かしい人が訪ねて来てくれました。
「よう!」
全然変わらないシウキアードさんでした。流石、商人さんは情報が早いですね。
「う」
片手を上げてご挨拶を返します。まだ、片言なんですよね。
「産まれたって聞いてな」
「う」
そうなんですよ。びっくりですよね。
「小さいな」
「お」
そんなことないですよ。ない・・・ですよね?え?もしかしてケリーに産んでもらったのに、前のままとかそんなはずは・・・。涙目でケリーを見上げる。
「りー・・・」
「大きくおなりですよ」
ケリーは欲しい答えをくれたのですが。
「そうか。産まれたてはこんなもんか」
「・・・いちゃ」
もうすぐ一歳のはずです。シウキアードさん達が大きいだけ、だと思いたい。
「スウ! どうした?」
「あい。おおう」
ライ様、私大きくなってますよね。なかなかの成長具合で、将来はケリーよりも大きくなれそうですよね!
「ん? ケリー、どうしたんだ? シウキアード殿?」
「ああ。いや、スウは大きくなったと思ってな」
「う」
そうでしょう。そうでしょう。上手く誤魔化されたような気がしますが、いいでしょう。