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夢の中で目覚めましたが、これは夢?  作者:
第一章 夢からの目覚め
6/35

6掴まる

 はいはい、お手の物ですよ。なかなかの高速です。


「きゃきゃきゃー」


 どんどん楽しくなってきちゃうと、危険です。頭を壁等にぶつけますので、落ち着いて。


「はーい。スウ様。落ち着いて」


 今日はトマスラルさんが見守ってくれています。どうもー。やっぱり、落ち着いた方がいいですよね。


「あい」

「全然、落ち着いていないですよ。楽しそうでしたね」

「あい」


 相変わらず、小さな子のか弱さが心配になるようで、トマスラルさんには窓際で抱き上げられて、くるりと回転してまた下されました。見守るのは大丈夫だそうです。

 存分に見守って貰いましょう。今日こそ、掴まり立ちをものにしますよ。


「え? スウ様。勘弁して下さい。ケリーがいない時になんてことを!!」


 まあ、偶には良いじゃないですか。


「う?」

「聞く気ありませんね。あっ!」


 窓際は丁度良く、角を丸めた背の低い本棚が置いてあるのです。勿論、丁度手を置ける高さです。


「ちょ」


 全身が、ぷるぷるします。ううう。無理。


「わー!!!」


 トマスラルさんが叫びとは裏腹に、手を伸ばして優しく受け止めてくれました。危ない。べちょっとつぶれるか、お尻で着地でした。ぷりんぷりんのお尻なので、痛くは無かったとは思うのですが・・・。受け止めてくれた手は即座に引っ込んでいます。


「おお」

「あ、危なっ。怖い。スウ様が・・・反抗期に・・・」


 しくしくと泣きまねをしながら、私を横目にせっせと緩衝材になる物を集めています。いや、こんなにやわやわな所では力をこめられませんよ。ふむ。今日はこのやわやわの海で遊びますか。そおれ。


「ひぇー。飛び込まないでー」


 片手をぴっと上げて見せただけで、すぐさま止められました。なかなか、勘が良いですね。折角の海です。遊ばいことには勿体無い。

 今度は慌てて片付ける、トマスラルさん。なかなかの動きですね。ふふふ。だが、甘い。


「うちょ」


 棚板をしっかり掴む。せーの。


「うっわー」


 また、悲鳴をあげつつ素早く受け止めて、放されます。

 ふー。今日は、ここまでにしてやるか。ううう。明日こそは掴まり立ちを達成しますよ。泣いてなんかいませんよ。

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