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夢の中で目覚めましたが、これは夢?  作者:
第一章 夢からの目覚め
5/35

5四足、二足

 どんどん賢くなっている私ですが、「リー」と言えるまでが長かったです。とりあえず、話せるようになるまでは家族とだけ会っていました。毎日ライ様が来て、抱き上げてはまだ話せないのかとがっかりするの繰り返しでした。子供達も毎日、来てくれて、抱き上げてもくれるようになりました。複雑ですよね。分かります。親が赤ちゃんになって戻って来たのにも驚きますが、抱き上げてあやすなんてびっくりです。

 でも、可愛いでしょう?我ながら中々だと思うんです。赤ちゃんはみんな可愛いですけどね。

 勿論、ケリーは毎日会っていますが、トマスラルさんも会っているというか、遠巻きに見られたり、通りすがりに見てきたりと色々でした。

 フロロウクさんもしっかりご挨拶に来て下さいました。


「スウ様。お久しぶりでございます。お元気そうで、何よりです」

「う」


 私は一応、元気を表現するため手足をばたばたして返事としました。フロロウクさんは相変わらずびしっとした立ち姿で、穏やかに私を抱き上げて、にっこり笑って帰って行かれました。

 前世の実家はなんとかやっているようだと、こっそりフロロウクさんが囁いて言ってくれたので、心配せずに赤ん坊生活を堪能しています。

 今、悩んでいるのは四足歩行についてです。難しいです。寝返りは出来るようになったのですが、勿論、ケリーがつきっきりです。まあ、誰が来ても一緒にいてくれるのは、いつも通りで何も変わっていない所が安心します。

 二足歩行なんて、とてもとても。無理。自分の発達段階に期待しています。


「スウ様」


 ケリーが柔らかな素材の床に私の身体を下ろします。存分に運動していいですよという合図です。


「う、う」


 さて、準備運動。寝返りからの~海老反り。匍匐前進、までは行けたんです。さあ後足、じゃなかった、足を使う時。いや足はいつも手で掴んで、拍手させたりなんかで使ってはいたんですが。身体、本当に柔らかいよね。


「ライオネル様がいらっしゃいました」

「うううう」


「おお。スウ!」

「スウ様!」


 ライ様まで一気に進んだら疲れたよ。あれ?二人とも感激したようで、どうしたの?もしかして、私、できちゃった?はいはいしてた?


「リー」

「ええ。スウ様。立派なはいはいでしたよ」

「できるようになったのか!」

「ライオネル様がいらして下さったお陰です」

「今、できるようになったのか! 凄いぞ! スウ」

「あー」


 ライ様が喜びのあまり抱き上げてしまったので、今日の練習はこれで終了です。お疲れ様でした。

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