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夢の中で目覚めましたが、これは夢?  作者:
第一章 夢からの目覚め
4/35

4気になる

 気になる。気になるでしょう?母がケリーならば、父は?と。怖い。怖くて聞けない。けど、推測では、あの人・・・。ケリーが誰かに私のことを見ているように言っていたので、せーの!


「おー」


 トマスラルさーん。


「・・・スウ様。ありがとうございます」


 部屋に入ってきていたトマスラルさんに、深々と頭を下げられました。寝返りもまだなので、ちょっとしか見えないんだけど、多分そう。

 それにしても、何のお礼だろうか。産まれてきたこと?それは、お互いにお礼を言わないと。


「あー」


 トマスラルさんが苦笑します。


「何となく分かるものですね」


 ケリーに怒られますよ。私とケリーは会話できてますからね。


「う」

「俺、ケリーと結婚しました」

「お」


 やっぱり、父でしたか。


「スウ様が産まれて、戻って来て下さって、本当にライ様もケリーも幸せそうで」

「うお」


 「父よ」とは呼びかけませんが、トマスラルさん、あなたの幸せは?


「俺も、嬉しいです」


 言わせたようですが、まあ、いいでしょう。


「う」

「これからも、よろしくお願いします。早く大きくなって下さいね」


 あ、逃げる気ですね。よし、今が最大限の力を発揮する時!!

 ころ。

 寝返り成功です!!

 ううん。座りがというかいまいち、しっくりこない。泣きます。


「ああ~~。うわ~ん。あ~あ~」

「え? ええ? スウ様。それは無いでしょう。俺、苦手なんですよ。うわー。どうしよう? 触る? 抱き上げる? っ!」


 そっと、持ち上がりました。

 お。上、向いた。良い感じ。


「お、おおー」

「いや、勘弁して下さい。慣れてないんで」


 慣れましょう。

 むむむ。下ろそうとしてますね。そうは、問屋は卸しませんよ。泣いちゃいましょう。


「ああ~~。あ~。あ~あ~。あ~~~ん」

「わー。え? 下ろしちゃ駄目ですか? 泣かないで下さい。お願いしますよー」


 トマスラルさんの方が泣きそうなので、そろそろ泣き止むかと思った所に、ケリーが飛び込んできました。


「スウ様! ・・・先輩(・・)?」


 ケリーはすぐさま状況を理解すると、私をそっと抱き上げにっこり笑って、寝台に寝かせる。

 私は一言も発しなかった。

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