34既視感
腰に抱き着けるくらいに成長しましたー!ケリーの通訳も卒業したので、ライ様と以前のように生活するようになりました。
子供たちは独立したのに、また一緒に生活しようと実家に戻って来てくれました!
「お母様ー」
「ロア」
「これ、後、これとこれも着て下さい」
「・・・」
ライ様のような耳が付いた着ぐるみ服が、まず差し出されました。北の仲良くしている方の変化した姿は、絵で見せて貰ったので知っています。もう二枚は鷲と蛇でした。
「母上」
「ルイ」
「これなんて、とても安全でいいと思うのです」
「・・・ありがとう」
期待に満ち溢れたほくほくとした顔で、手にしたものを説明してきます。絵本と玩具。全て軽くて丈夫で怪我をしないように角張った所はありません。
つい、最近もこんなことがあったような・・・。これは親孝行でしょうか?姪っ子を可愛がる若い叔父叔母という感じなのですが・・・。てっきり、結婚するまでの思い出作りかと思っていました。別に本人達が幸せなら結婚してもしなくてもいいと思っています。まあ、思い出作りとは言えますが。私の成長の思い出を作る必要性は・・・。はっ!もしかして、自分達の子育てのため?それならば、協力しないと駄目でしょうか。そんな迷いが出ていたのか、ケリーの冷静な助言が響きます。
「スウ様。ロア様は子供用の服飾のお店を開店させる予定です。同じくルイ様は玩具屋を」
「そうなの? それで、試作?」
「はい」
身近に子供がいるなら手伝って貰うかもと、自分を納得させて付き合います。二人とも子供好きだったんだなーと。これは結婚とも同様で本人達次第ですが、孫の顔も早めかもと気の早いわくわくに包まれながら、私が成人するまで、試作という名の私で遊ぼうの会は続いてしまったのです。何事も、最初が肝心です。ううう。
子供達の成長を見守るつもりで、見守られつつ気が付いたら、成人してすぐに三人目?一人目?の子供が産まれました。勿論、ライ様との子供です。スネクリア、三人目は女の子で愛称はリアです。
とても嬉しかったし、今も幸せで嬉しいのですが。孫はともかく、ルイとロアの結婚相手の影も形も見えないまま、またもや見たことのある光景に遭遇しています。
「母上、リアには最新式のこのやわやわ絵本を!」
「お母様、リアにはこの髪飾りが似合うと思います!」
絵本のぬいぐるみのような物と、赤ちゃん用の鉢巻きではないのでしょうが、似たような物を貰いました。どんどん、増えます。産まれてから毎日、新作です。それも、結構な数。大丈夫じゃないですよね。
ケリーは嬉しそうで、何も言いません。頼みの綱が・・・。トマスラルさんは遠巻きです。小さな赤ちゃんは苦手だそうです。フロロウクさんは飛び上がって喜んでくれました。
ライ様は妊娠が分かってから凄かったです。嬉しい、楽しみ、幸せと心配、心配、どうしようがぐるぐる混ざって、トマスラルさんに出産まで指導を受けていました。そう、あのトマスラルさんに。指導というか、暴走の受け止め?
「ライ様、今日もですか・・・」
「トラ、例えお前が止めても俺は行く!」
「いや、何を一人で盛り上がっちゃっているんですか? え? いや、待って、待てってー!!」
一度だけ、こっそり望遠鏡で覗かせて貰ったのですが、仕事を放棄し私に付いていたいライ様を止めて、仕事をして貰わなきゃいけないトマスラルさんの攻防は屋敷が壊れるかと思いました。




