31強靭
「調べてきましたよ」
「・・・かなり、広いですね」
「ライ様、スウ様がいない間、淋しがってましたから」
ああ。ライ様は私がいたことが現実だったと思いたいがために、力を収めたり放出したりを繰り返して荒れ地を作ってしまったらしい・・・。慰めるのも違う気がします。今を淋しくないように楽しみましょう!
娯楽施設を作るにあたって、魔道具の作成を担当してくれるリート君を呼びました。こんなのが欲しい、あんなのが欲しいと思いつく限りを書き尽くしましたよ。文字は年の割には書けている筈です。そうだ!筆記具も作って貰おう。絵具系やクレヨン、色鉛筆とか、目一杯落書きできる場所もいいですね。後は、実験系も面白そう。
「・・・規模は?」
「こちらに」
「ひろっ!」
予め渡しておいたテーブルから目の高さまで積み上がっている紙の束を前に、リート君が無表情で問い掛けてきて、敷地の大きさに驚いています。
「ひろいの。たくさんつくる」
「それは、いいですが。予算とそれぞれの施設の大きさ、優先順位等はどうしますか?」
魔法を使わないものの優先順位を上に、幅広い人が楽しめるものもなるべくと、色々相談しているとトマスラルさんがライ様と一緒にやって来ました。
「では、私はこれで」
リート君が設計図や図面を考えてくると言って、素早く立ち去ります。どうも、ライ様から何か出ている気がするんですよね。リート君への嫉妬というよりも、羨ましい感じがそれでどうも落ち着かないらしいです。無理もないと皆が言うので、なるべく距離をとるようにして貰っています。
ライ様は苦笑中です。もう、笑い事では無いですよ。ほっぺにちゅってしても、誤魔化されませんよ。
「なに?」
「どうされましたか?」
ケリーと一緒に問い掛けます。
「南の芸術家から話を聞けたんだ。伝えておこうと思ってな」
「俺、頑張りましたー!」
「当たり前です」
うわ。ケリーの一刀両断。
「結論から言うと、魔力を載せるそうだ。音や色、素材等の芸術を表現するありとあらゆるものに。それができるのが芸術家ということだ」
「得意なものが分かれるそうですよ。より、沢山載せられる方が優れた芸術家となるそうです。魔力に酔っているだけのような気もしますけどね」
「それがいいんだろう。多分」
「よう?」
魔力に酔うって何でしょう。お酒に酔う感じのようなものでしょうかね。
「お酒と同じように魔力も酔います」
「おなじ?」
「はい。体質等にも関係ある所も一緒です」
うーん。中毒性のない酔いなんでしょうか。ちょっと、気になります。
「またよいたくなる?」
「多分、あまり良くない点も共通していると聞きます」
「?」
「スウ様。ここにいるというか、概ね北の人達は酒にも魔力にも強いので、酔った状態というのがあまり・・・」
「そうなの?」
全員が頷きました。北の皆さん何事も強靭ですね。




