20遊ぼう
今日は遊ばれています。あーれー。
「お母様、着せ替えしましょう」
え?私で?
娘のロアが満面の笑みで凄く可愛い洋服を抱えています。文字通り、何着あるんだか分からない物を太い丸太のように抱え込んで部屋に飛び込んできました。
今日は読書という名の拝聴です。おや?
「母上。今日は一緒に本を読みましょう」
読み聞かせを私にしてくれるの?
息子のルイが、前が見えないくらいに積み重ねられた本を器用に崩さず持って部屋に入ってきました。厚くない絵本でそれとはかなりです。
仕事のはずが、連日お休みという名の子供達からの「遊んで」攻撃を受けました。これは悩む。遊んでもらっているのか、遊ばれているのか。遊んであげられてはいないと思います。
以前もそうでした。魔力が無いせいだとは思いたいんですが、あまり身体能力や運動能力、体力がよくなかったんですよ。子供は元気の塊ですよね。推して知るべし。
「ルウ。そこで見ていると良い」
「ラ、ライ様」
私は息も絶え絶えです。ルイとロアはきゃーきゃーと楽しげな声を上げて、ライ様に振り回されています。飛ぶ、飛べそうです。確か、二人とも飛べたかと思うので、危険はないと思うのですが・・・。私がいたら飛べないですからやっぱり危険だと思うのです。それとも、皆さんの身体能力的には大丈夫なんでしょうか。ちらりとケリーを見ます。特に心配そうにも止めにも入りません。
「母上も一緒にやりましょう!」
「お母様も遊ぶー?」
「ルイ、ロア。スウは見ている方が楽しいんだ」
「「そうなの?」」
二人がそっくりな仕草で首を傾げます。とっても可愛いです。はい。一緒にやるのはご遠慮させて頂きます。ライ様、素敵な助言ありがとうございます。
「ええ。二人がライ様と遊んでいる所を見るのがとっても好きなの。ほら、くるくるするんでしょう?」
いや、半端ないですよ。子供達も身体がしっかりしているのか、ライ様と三人で輪になって手を繋いで回っても手が離れません。まあ、ライ様が二人を捕まえているので万が一離れても何ともないでしょう。二人とも地に足が着いていません。わお。ちょっと楽しそう。今度、私もこっそりやって貰っちゃおうかな。
婚約期間中は慣れていくにつれて、抱き上げて貰って、高い高いもして貰えました。子供の遊びもしなければというフロロウクさんからの助言で至極真面目にライ様がして下さったのです。私も結構成長していたのですが、そんなことをものともせずに。頼もしい。ぽーんと飛びましたし、びゅんびゅん回してくれました。流石に、関節が危ないとのことで、ケリーから止めが掛かりましたが・・・。
ライ様は真剣に子供の時の遊びは大事だと、自分の両親もそうして遊んでくれたと話してくれました。若干、命懸けだったようですが・・・。ライ様のご両親はなかなか子供に恵まれず、ライ様が産まれた時は、それはもう凄い喜びようだったそうです。ですがもともと高齢で力の強いライ様が産まれてからは、お母様の方が体調を崩され、お父様も心配が祟ったのか同様に後を追うようにして亡くなってしまったそうです。それからはフロロウクさんが親代わりで必死にライ様を育て上げ、北を預かることになったそうです。




