19お話
仲直りというか、お互いの事情が分かった所で特訓は何一つ進んでいないことが分かります。話していただけですからね。そのためにケリーは用事を作ってくれたんでしょうか?それはないかなー。単純に外せない用事だったのでしょう。
「ああ。今日は、面接なんですよ」
ケリーの用事が何なのかを疑問に思っていたことが伝わったようで、トマスラルさんが答えてくれました。
「怖いですよね」
トマスラルさん・・・。
「先輩」
ケリーが戻って来ていました。これはもうどうにもならない上に、言い訳もできません。
「大変、申し訳ありませんでした」
「明日も、よろしくお願いしますね」
「あ、明日?」
「何か?」
特訓日が増えました。ご愁傷さまです。私は自由に遊んでいるだけなので、楽なんですけど。
「スウ様、申し訳ありません。明日もお側を離れます」
「あい。ぎゃんばっちぇ」
「ありがとうございます。力になります」
トマスラルさんは空気に溶け込み始めていますが、大丈夫でしょうか。
「先輩、今日は何を?」
「え? 何とはなに?」
「おはなち」
「まあ、そうでしたか」
ケリーは穏やかに返事をしてくれます。
「ああ、そういうこと。うんうん。スウ様とお話したよ」
トマスラルさん、軽い。ケリーの表情がぴくりと動きます。
「先輩。フロロウクさんの所へ向かって下さい」
「え?」
ケリーは兎のためかとても耳が良いんです。フロロウクさんはとても目が良いそうです。多分ですが、二人だけでかなりの距離でも意思の疎通が図れるようになっているみたいなんですよね。これはきっと・・・。ケリーが指導をフロロウクさんへ任せたのでしょう。
「お早めに」
「ええ~」
想像通り、フロロウクさんは厳しいそうです。トマスラルさんは渋々向かいました。ケリーにもトマスラルさんにも逆らい難いですからね。仕方がない。




