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また新しい発見を携えて、リート君がやって来ました。
「副所長の特性を再現することに気が向きすぎていました・・・」
「う」
「何が何でも最初から全て納めなくてもいいんですよね。徐々に慣れても。逆に最初に全て納めて、次に弱めてまた徐々に強くする手も使えると思うんです」
「う」
流石、リート君。確かに、一番強くして緩めるのも手だね。感覚的には楽かもしれない。検証はお願いします。ケリー、返事をよろしく。
「では、その方向でお願いします」
「あと、もう一つ。箱型と袋型を併用してみたいと思うんです」
「お?」
それはまた新しい試みですが、難しそうですね。感覚的なものだから私からは何も言えないのですが、どうでしょう。収める場所が曖昧でも大丈夫でしょうか?それとも、八割は箱で、二割が袋に収める感じに使い分けられる人もいるのかな。
「おちゃめあいみゃい? ふたちゅ?」
「収める先が曖昧でも大丈夫かと、二つの使い分けを意識してされる方はいるんでしょうか」
「そこも実験してみようと思っています。曖昧なのは魔道具としてはどうかと思っているんですが・・・。副所長の特性に一番最初に接した時の感覚が大事だと思っているんです。でも、覚えていないんですよ。忘れるとかっ」
嘆いているリート君に問い掛ける。
「もっきゃいしゅる?」
「え?」
「もう一度、体験されますか?」
「どうやって?」
「きゃわる」
「魔力を収めなければ可能では?」
ケリーも冷静に告げる。え?開放すれば元通りじゃないの?収めると収めっぱなしになっちゃうのかな?
「やってみます」
「どじょ」
どんとこい!
「・・・」
「・・・」
「・・・」
三人とも無言なんですけど。
「・・・分かりませんでした」
リート君の告白に思わず返していた。
「う? わちゅれにゃにゃ?」
「忘れた訳ではないようですね」
「そう、ですね。あー。掴めそうで掴めない」
「きゃんじゅ?」
「何かは感じられるのですか?」
「それも、微妙で。副所長の特性流石です。自然すぎて、通り過ぎます。これはまたお時間頂きます」
リート君はそういうと退出の挨拶をして、帰っていきました。多分、帰っている途中も魔力を放出したり、収めたりを繰り返しているんでしょう。研究熱心です。




