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まじかよ……雄一はこれのことを言ってたのか?
『避難場所は自宅のみにして下さい! 他県への避難などは決して行わないでください。特に東京都民は絶対に他県へ出ないでください! 繰り返します! 自宅以外への外出は絶対にしないで下さい! 速やかに帰宅して下さい! 』
「パパ……怖いよ……」
「だ、大丈夫だ。きっとなんとかなる」
正直理解が追いつかん。でも、美嘉は何としてでも守らないと……。そうだ、とりあえず雄一電話しよう。
「おい雄一! 悪い。お前の言う通りニュース見るべきだった」
『あぁ、そうだな。ったく今向かってっから、早く必要最低限のもんまとめて支度しとけよ!』
「あ? いや、自宅から出るなって言ってただろ」
『ダメだ! 違ぇよ。んなこと守ってる奴なんていねぇよ! いいか、千景。ニュースでやってる内容が全部だと思うな! いいか--ックソたれ!!』
なんだ? なんの音だ? それにどういう意味だ?
『いいか、とりあえず着いたらお前も乗れ! 全部だ車ん中で説明してやる。美嘉ちゃん死なせたくねぇならとっとと用意して待っとけ!--ツーツーツー--』
「あぁ、わかった。」
クソッ。何が何だか分からん。ただ、ヤバいのは確かだ。美嘉だけは何としても……
「美嘉!いいか、落ち着いて今から言うことをしろ」
落ち着けだ? クソックソッ俺が落ち着け!
「前に買った大きめのリュックあっただろ? ほら、赤と白のやつ。あれに必要最低限の着替えとタオル、それに、あぁ必要なもん入れて来い。ゲームとかは無しだ、いいな?」
「うん……わかった……」
「大丈夫だ、絶対に父さんが守ってやる。できるな?」
「うん。」
「よし、じゃあすぐに用意してくれ」
俺も支度しないとな。カバンは、仕事用と、あと旅行用もあったか。とりあえず、服と、歯ブラシ、缶詰にカップ麺も買っといてよかった。あとは--この写真は置いてけないな。
『ドンドンドン』
その時、玄関を叩く音が聞こえた。
「千景! 早くしろ!用意できたか!」
雄一か? もう着いたのか。
「あぁすぐ行--」
『ガッシャーン!!』
「ッ!!」
なんだ? 美嘉の部屋か? 窓が割れ--
「いやぁ!! パパ!!」
美嘉の声!!
「美嘉!!」
俺は咄嗟に区分けしたカーテンを開ける。その時視界に映ったのは、『異形』。ただ、その言葉では形容しきれないものだった。
※作者から大切なお願いです。
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