2045年①
「はぁ……」
仕事に追われる毎日。まぁ、言ってみれば、現代日本人として、当たり前のことだし、きっちりと高い税金を納める優良人間。ただ、そんな当たり前のことでも、誰かに褒められてみたいとは思うもんだよな。
「......ただいま..............って、とっくに寝てるか」
深夜2時。寄り道も、友人と遊ぶことも無い。もちろん賭け事も。休日自体が不定期なもんだから、仕方ない。
今朝、娘の弁当のついでに作った、時間も経ってへしゃげたサンドイッチ。それに、缶ビールをさらう。それと食後、俺にはメビウスのレギュラー10mmロング。これが1番だ。例え酒を飲まなくなっても、これだけは止められないだろう。
「.......ふぅー.......」
カーテンで無理やり区分けした、隣の部屋から聞こえてくる娘の寝息。肺から全身の血管を巡るニコチンとタール。不規則に刻む役目を果たさない置時計。
このまま3時間ほど寝て、娘の弁当を作る。そしたらシャワーを浴びて、仕事の支度をして、2時間ほどもう一度寝る。そして、また仕事に行く。
「あぁ……クソッ……明日は買い出しもあったか……」
二度寝はお預けか……。
とりあえず、酒が回るまでテレビでも見るか。起こさないよう音量は下げておかないとな。
「……パパ……おかえり……」
「あぁ美嘉……ただいま……悪い。起こしたか?」
娘の美嘉。親バカと言われるのは癪だが、まぁ、可愛い。いや、かなり可愛い方だと思う。
「ううん。ちょっと喉が渇いただけ……それに、昨日も一昨日も学校行く前、パパ寝てたから」
「そうか。ごめんな、寂しい思いさせて」
「全然。パパ仕事で疲れてるんだし、いつもありがと……隣、座っていい?」
「あぁ、もちろん。よしほら、お席の用意が出来ましたよ、お姫様」
「うむ。苦しゅうない」
そういや、一緒に暮らしているのに、我が子と話すのも3日ぶりか……。中学2年になって反抗することも無く、毛嫌いすることも無く、素直に育ってくれた。
この子だけが、宝。そして俺の生き甲斐だ。
こんなに良い娘、そうそう居ないだろう。って親バカか。それでもこの子の笑顔の為なら、死ねる……心からそう思う。
『--急ニュース-- 緊--ュース速報--』
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