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第110章 煩悶

真祖が去って行った後、俺は困惑して立ち尽くしていた。




『……っ!?そうだ、みんなは!?』




”レーダー”で見てみると、既に戦闘を終えて遠くで集合していた。




『…とりあえず合流するか。』




皆に今の俺の顔は見せられない。


何とか気持ちを切り替え、普段通りを装って”転移”した。




「おうダグラス!!そっちはどうだった?」




「悪い…逃げられた…」




「そうか…こっちは三人とも無傷で倒したぞ!!」




「少し相手の様子がおかしかったわ。」




「うん。俺の敵はよくわからない言葉を発しながら泣いていたしな。」




「あれは滑稽だったな!!もしかしてカルファに怯えてたんじゃないか!!ガハハハッ!!!」




「師匠!!!!」




「な、なんだよダグラス。そんな怖い顔して…」




「え…?」




先程の真祖の悲しそうな顔が脳裏によぎり、怒りを出してしまったみたいだ。


混乱していくつもの感情が交錯している。




「なんでもない…怒鳴ってすまなかった…」




「いや、いいんだけどよ…ダグラス大丈夫か?」




「さっきから何か思いつめたような顔をしてるけど…真祖に逃げられたことをそんなに気負わなくていいわ。」




「ああ…ありがとう。」




自分でも感情がコントロールできなくなってしまった。




「…帰ろうか。」




「ええ…」




屋敷に”領域転移”し、俺はそのまま装備を脱いで自室のベッドに飛び込んだ。




『魔族は悪じゃないのか…?人族と同じように暮らしているやつもいるのか…?分からない…!!!何も分からない…!!!』




今までに感じたことが無いほどどす黒い感情に飲まれていた。


ステータスを”鑑定”したが、状態異常などはなかった。




『どうすれば落ち着くんだ…!!!!!!』




ふと、一番嫌なことに気が付いてしまった。


そして一気に血の気が引いた。




『…今日倒したヴァンパイアの中で過去に悪事をした報告があったか…?いや、ない!!!!』




俺は今日、罪のない者を何千人も殺してしまったのだ。


何も悪いことをしていないのに、ただ”存在する”というだけで彼らの日常を壊してしまった。




『どうして…!!!どうしてもっと早く気づかなかったんだ…!!!』




世の中の常識を何も疑わずに飲み込んでしまった結果だ。


原因がわかってもこの感情が収まることはなく、ただただ悶えた。




「ああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」




結界を展開し、その中で暴れまわった。


しかし、どんなに結界に攻撃しても気持ちが静まらない。




ステータスを開いて”冷静S”を習得すると、何とか落ち着くことができた。




『…まずは魔物、魔族について知る必要があるな。それに俺の魔人化か…』




考察してみると、魔人化は人族が習得できるスキルと魔物スキルとの数量比で進行していることが分かった。


試しに一番上にあった”掃除S”と”調理S”を習得してみると、人族:魔物=54:46になっていた。




『魔人化はひとまず、今までに溜まったSPを大量に消費してできるだけ人族に近づこう…』




それから”精霊魔法S”や”斧S”といった戦闘系から”洗濯S”や”土木工事S”など、生活に関係するスキルなどを合計30個習得した。




これによって人族のパーセンテージは72まで上昇した。




『ひとまずはこれでいいか…』




次は魔物、魔族の生活実態調査だ。


30個の中には”千里眼S”や”ホログラム化S”、”ピン立てS”など、遠くから正確に観察できるスキルを習得した。




『とりあえず真祖の位置に”ピン立て”して”ホログラム化”で映し出そう。』




彼は既に新たな古城に着いており、眷属を生成していた。




『眷属を作るには人間とか死体とか媒介があった方が簡単なのに…全て魔力で生み出しているのか…』




俺は”神聖魔法”で倒したヴァンパイアたちは無理やり眷属にされた元人族だと勝手に勘違いし、解放していると思いながら殺していた。




『俺は殺人鬼…いや、大量殺人鬼だ…』




倒した彼らの経験値は既に吸収され、中にあった魔石も”魔石吸収”してしまった。


俺はたくさんの屍の上に立っているということを自然と悟った。




『何か…何でもいい…償いを…!!!!』




俺の心はボロボロだ。


何を信じていいのか分からず、挙句の果てには自分すらも信じられなくなっていった。

誤字脱字等あればご指摘ください。

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「剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~」の方もよろしければぜひご愛読ください!!

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