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何もかも完璧に生まれた二人は許婚。  作者: レオナルド・ダック
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ブルーノと貴族のイジメと復讐

そこには今日も試合のはずのブルーノが兵士に捕まっていたのだ。


ブルーノは獣人がラインズ御用達のラムネを持っていたというだけで、盗んだと言われ捕まっていた。


ラインズ御用達のラムネはラインズしか持ってないという事で、ラインズに確認が入りラインズから俺に呼び出しが来たわけだ。


「俺は盗まれてなどいない、試合後ブルーノの健闘を讃えあげたものだ。」


「だからフレズ兄さんがそんなへまする筈がないって言っただろ。」


「はっ、失礼致しました。」

兵士達はそのままブルーノを連れて去ろうとする。


「ちゃんとすぐ縄を解け。」

「獣人ですぞ、よろしいのでしょうか?」


「我が国は獣人の差別は認めていない。

もういい、彼はそこに置いてお前達は持ち場に戻れ。」

「はっ。」


「兄さん僕のラムネは特別なんですよ。

そうでなくても何かを市民に渡す時は気をつけてください。

それに市民と会う約束をした時は、ドーヘンタイーナドのメダルを渡してください。」


ラインズ印のラムネは販売されておらず、貴族でも勲章の授与の副賞としてしか手に入れられないものだった。


俺が迂闊に物を渡したせいでブルーノは疑われたが、迂闊に凄いものを渡したせいで助かったのだ。


なんにしてもブルーノの動魔祭を駄目にしてしまった事を謝らなければならない。


困ったな、ブルーノは病気の妹の為に動魔祭で仕事を見つける筈だったのに。


そうだ。


「ブルーノ色々ごめんな。

それでもし良かったらなんだが…。」

俺は小隊のメダルとドーヘンタイーナドのブレスレットを渡した。


「失礼ですがこれはなんでしょうか?」


「ああ、小隊のメダルって言ってフレズベルク小隊の隊員メダルだ。

これを月一回、軍の事務局に持って行けば給料が出るから。

ブレスレットは俺に会う為に有ると便利な物でいらなかったら、売って妹の治療費にでもしてくれ。」


「ちょっと待って下さい、兄さん。

ドーヘンタイーナドのブレスは特別で持ってるだけで貴族しか利用出来ないお店にも入れるくらいです。

それに無くしたら死刑ですよ。

売るなんてとんでもない。」


もうなんというか世間知らずで申し訳ない。

10才の俺が世間知らずなのは仕方ないだろうと言いたいが、8才の従兄弟に注意されると何にも言い訳出来ない。


もう説明はラインズにお任せして結果だけ言うと、ブルーノはドーヘンタイーナド家の使用人となり、軍の俺の小隊で働く事になった。


軍の正式採用の手続き後、一度妹を迎えに戻って、俺の家の物置に妹と一緒に住む予定だ。


ちなみに動魔祭はサニーが優勝。

ターナが二位でレナは三回戦敗退だった。


そして今日は久しぶりの登校だった。

俺は動魔祭の明るい雰囲気から一変、暗い気持ちでいっぱいだった。

レナのイジメ問題が片付いていないからだ。


レナは暗い顔で言う。

「もう大丈夫だから全て終わったから。」


「そんな顔で言われたって説得力ないよ、クラス違うけど休み時間は俺が守るから。」

「違うのもう大丈夫だから。」


学校に着くとレナの言葉通り、レナをイジメる者は誰一人としていなかった。


俺はみんながレナの動魔祭3回敗退を見て、勝てない事を悟りイジメをやめたのかと思っていたが、クラスのみんなの表情が暗い。


それどころかレナとすれ違った上級生達もが暗い顔をしていた。


この空気は俺が上級生を屋上でボコった時に似ているが、それ以上に暗かった。

学校中が暗かったのだ。


俺の疑問は放課後、イジメの手紙を解析してもらっていたローニャによって解明された。


「はい、これがイジメをしていた人達のリストと報告書だよ。あの手紙以外のも全部調べたから全部だよ。」

「よし、俺が文句言いに行ってやる。」


「その必要はないよ。

私が全部調べたって言ったよね。

報告書をよく見て。」


報告書には国のある機関の名前が書いてあった。


俺はまずリストを見る


レナをイジメていた奴等の数は全校生徒の80%を超えていた。

同級生だけでなく上級生や下級生そして教師の名前もあった。


そしてそのリストのタイトルに気付いて俺は固まった。


『レナをイジメていた者とレナにより復讐された者のリスト』と書かれていた。


貴族のイジメは怖い。

俺はこの言葉を思い出した。


そして俺はもう一つの『レナ事件真相』と書かれた方も見た。

資料の最初の方にはレナがされた事が書いてあり、後半はレナがした復讐が書いてあった。


魔法により復讐の最中の画像や動画が添付されていた。


そこには見るも無残な裸の女生徒達や傷だらけの男子生徒達が写っていた。

それも一度ではなく、間を空けて2回目、3回目と、執拗に繰り返されている。

教師の中には本人だけでなく娘や孫までレナにやられた者もいた。


貴族のイジメと復讐は怖い。


俺はどうしていいかわからなくなりローニャに聞いた。

「これどうなっちゃうんだ?」


「どうにもならないわよ。

レナに復讐された人は皆怯えていて、国が間に入るから今回の件はなかった事にしろと言ったら喜んでいたわ。」


復讐もなかった、イジメもなかった、出会いの日のすっぽかしもなかった。


レナも他の人も納得したようだ。


そしてこの報告書も門外不出の資料として国の倉庫に入れて終わりになる。


何もなかった?

何もなかったのだ。


ローニャは言った。

「問題はこれが門外不出で王族以外は見れないって事よ。

つまり言い換えるとレナは王族であるフレズがこの報告書を見れるって知ってるの。」


「………。」


俺は何も言えなかった。


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