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何もかも完璧に生まれた二人は許婚。  作者: レオナルド・ダック
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初戦レナの極太鞭と次戦俺の拳

俺達の最初の試合はレナからだった。


レナは見慣れない真っ黒な服を着て、両手には極太の5メートルはある鞭を持っていた。


鞭は3メートルくらいから、攻撃力も速度も扱う難しさも上がっていく。


会場中が、僅か10才の美少女が長くて太い鞭を二本も使う事に驚いた。


「はじめ!」

はじめか…。

レナは心を決める。


普段いじめっ子の女子達に振っている鞭をフレズの前で使う。

レナにとって試合はじめの合図は、お別れのはじめの合図だった。


試合開始の合図と共にレナが鞭を振り出す。

バチンバチンバチンバチン。

レナの鞭はあちらこちらまるで生きてる様に動き出す。

敵に当たっても居ないのに空中で音が鳴る。

それは鞭の先端が音速に達した証拠だ。


「ふんっ。」

レナが気合を入れた瞬間鞭が相手に襲いかかる。

武器を持った両手を一瞬ではじき、それと同時に敵の足も撃ち抜いた。


相手は何も出来なかった。

レナの5メートルの鞭が二本と言うスタイルは大人でも慣れないと対処が難しい。


勝った私にフレズが近づいてくる。

「さすがレナだな。見事に相手の手足だけ狙うなんてレナらしいな。」


違う私はそんな奴じゃない…。


次は俺だ。


俺の相手は辺境の村の底辺校の獣人だった。


相手は何も持たず素手で舞台に上がった。

身につけている防具も魔封じのリングだけだ。


魔封じのリング。

自分にかかる全ての魔法を封じるリングだ。


昔はよく使われていたが今は軍では使う人がほとんどいない。


相手の攻撃魔法を封じる事が出来るが、自分の補助魔法まで封じてしまうからだ。


相手は攻撃魔法を封じられても補助魔法を仲間にかけてもらえるため、接近戦に持ち込めても余程の差がないと勝てないのだった。


正直俺は困った。


素手の相手を現役の小隊長が剣で倒したなどと言われては貴族の名折れだ。


俺の貴族の名が裏目に出たのだ。


俺も素手で舞台に上がる。


こっちの方が圧倒的に年下だ。

剣を持って勝つよりはまだ剣なしで負けた方がいいのだ。

貴族というのはそういうものだ。

もちろん勝つ気で戦うが。


「はじめ。」


俺は貴族として相手の土俵に乗って、肉弾戦をしかける。

ここまでが相手の作戦だとしても乗るしかないのだ。


相手が殴れば、こちらは蹴り返す。

まさに一進一退の攻防だ。


レナの事で悩んでた俺は、この正々堂々とした打ち合いが楽しくなってきていた。


闘いは拮抗し距離の闘いになった。


10センチの取り合いだ。


10才の俺は当然相手より背が低いから、10センチ離れてしまうと相手のパンチに足で対応しないといけなくなる。


足での攻撃は不安定なのでそう何度も相手のパンチに合わせてはいられない、この距離はジリ貧だ。


逆に10センチ近づけば小回りがきく分こちらが有利になる。

相手も警戒していて、膝蹴りや打ち下ろし型のパンチを匂わせてくる。


俺達は耐えきれなくなり、一旦距離をとった。


「なかなかやるな。

俺の名はフレズベルク。」


「貴族方に自己紹介して頂けて光栄です。

俺はブルーノです。」


俺は再びブルーノと打ち合った。


全くの互角だと思っていたが徐々に差が付きはじめた。


俺がブルーノの捨て身カウンターに耐えきれなくなって来たのだ。


その攻撃は捨て身カウンターなんてものじゃなかった、ただの相打ち狙いだ。


俺はただの動魔祭で、ここまで気迫溢れる闘いになると思っていなかった。


最初から気持ちで負けていたのだ。


今からでも補助魔法を使えば勝てるかもしれないが、それは相手も一緒で魔封じのリングを外して補助魔法をかければいいだけだ。


リングを外せば俺の攻撃魔法が通る様になるので戦況が変わるかもしれないが、俺は貴族だ醜態は晒せない。


「ギブアップ。」

俺は潔く負けを認めた。


試合後ブルーノと健闘を讃え合う。

「負けたよ、君の勝ちだおめでとう。」


「ありがとうございます、でも補助魔法を使えばあなたの勝ちだったのでは?」


「その場合は君も魔封じのリングを外して補助魔法を使えば同じだろう?」


「私に補助魔法の才能があるのですか?

はじめて知りました。」


生まれた時にする才能のチェックはとても高価で貴族くらいしかしないそうだ。


それだけではない。

ブルーノはここまで村から野宿しながら歩いて来ていた。

食料も最低限でろくに食べていなかった。


地方の村では学費が無料でも学校に通うのは大変な事だった。

それに地方では貴族が有利な様に試験が行われている事なども聞いた。


その他にもブルーノ個人の話として、両親が死んでしまった事。

重い病気の妹がいる事。

妹の治療費を稼ぐ為の仕事が欲しくて動魔祭に出場した事を聞いた。


俺はブルーノに大会後家に来る様に伝えた。

ついでに少しでも腹の足しになる様にと、持っていたラインズ印のラムネを渡した。


次の日。

さっさと負けてしまった俺はレナ達の応援をしようとしていたが、ラインズから緊急の呼び出しを受けた。


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