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何もかも完璧に生まれた二人は許婚。  作者: レオナルド・ダック
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三人旅スタイル

俺は今自室で寝ている。


雲黒斎達との戦闘後、雲黒斎から受けた傷が思いのほか深かった為王室家専用の隠し通路から自宅に帰還したのだ。


部隊はサニー任せて今は情報収集を優先してもらっている。


「出発早々リタイアして帰還とは、恥ずかしいですね。」


ローニャがそう言いながら俺を魔法で治療してくれている。


「そう言わないであげてローニャ。

いくらなんでもあれは想定外よ。」


珍しくレナが俺を庇う。


雲黒斎達を埋めた後、戦闘の興奮状態から解放されて気が抜けて急に倒れた俺にはわからないが、レナが俺を庇うという事はそれだけ

重傷だったのだろう。


そして今、ローニャが憎まれ口を叩くという事はそろそろ回復してきたという事だ。


「さてどうしようか?

ローニャはどう思う?」


「相手が剣の達人で完璧な魔術封じ装備をしているなら残念ながら私の出番はないでしょう。

リザベルが適任と言いたいところですが、リザベルには内政を任せてますし…。」


ローニャの言う通り今回はリザベルを連れて行くのが無難だが、リザベルには前の戦いで貴族達から没収した内政を任せている。


ローニャ一人に内政を任せる事も出来るが、国内に変な混乱を撒き散らすのは良くない。


「少々不安は残りますが若手の育成と称してブルーノの追加派遣が無難でしょう。」


ローニャの言う通りそうするしかないのだが雲黒斎は強い。


正直俺達では力不足で手に余る。

敵の実力的には国王直属の部隊を派遣するべきだろう。


俺が渋い顔をしているとローニャは思考を巡らせる。


「行ける所まで行って部隊が大ダメージを受ける前に情報を持って帰還するのはどうですか?

雑魚狩りをしたので反逆者達のトドメは国王直属の部隊にという説明をつければ面目を保てます。」


「それしかないか…。」


俺は気のりしないながらもローニャの意見を受け入れた。


ブルーノに出陣命令を出しラインズに護衛からブルーノが外れる事を報告する。


そして俺とレナは…。


ーーー

レナの顔が5センチほどの距離にある。

俺とレナの身体は密着していて年頃の少女特有の匂いが俺の鼻をくすぐる。


「ちょっとフレズ。

もうちょっと離れなさいよ。」


「無茶くちゃ言うな、俺だって狭いんだ。」


俺とレナはブルーノの馬車に乗せる武器入れの箱の中にいた。


一度出陣している俺とレナがもう一度馬車で出陣したらおかしいからだ。


国民を不安にさせない事も上に立つ者の重要な役割なのだ。


ブルーノの操縦する馬車は城門から城下へ出た。


「おおー、フレズベルク隊ブルーノの出陣だー!」

「敵に剣士が多いから修行の為の出陣なんだってな、頑張れよ若いの!」


相変わらずフレズベルク隊の人気は凄く民衆から声援が送られる。


ブルーノはにこやかに手を振って応えるが、ブルーノの耳には荷台の二人のケンカが聴こえていた。


城を出て城下に入ってから道の所為で馬車が揺れる。


チュッチュッチュッチュッチュッ!


その所為で俺と一緒に隠れているレナは顔が5センチほどしか離れていない為小鳥の様にキスを繰り返してしまっていた。


「ちょっとフレズ!

どさくさに紛れて何すんのよ!」


「俺のせいじゃない馬車が揺れているんだ!

レナこそ小刻みに腰を振って俺に擦り付けるのやめろよ。」


「なっ!

そんな事してないわよバカフレズ!

馬車が揺れてるのよ。」


ブルーノは荷台の箱から聴こえるその会話にうんざりしていた。


これから先が思いやられる。


「こんな事なら最初から出陣しておけば良かったっす…。」


箱の中から街を出たのを音で確認した俺達はブルーノに声をかける。


「おい!ブルーノそろそろ開けてくれ。

レナが変態過ぎて困ってるんだ。」


「ちょっと何言ってんのバカフレズ!

さっきからスケベな事してるのはあなたでしょ。」


「はあっ!何言ってんだど変態。」

「誰がど変態よ、痴漢野郎!」


「なんか懐かしい感じっすね。

俺がフレズベルク隊に入れてもらった直後も三人で旅をしましたね。」


ブルーノは和やかに返事をした。

もちろん二人が入っている箱は開けない。


ブルーノもフレズベルク隊に入ってから経験を積んでいるのだ。


こういう時は二人に関わらないに限る。


「あー、あんな所に行商人の馬車がー。

念の為二人はまだ隠れていて下さい。」


ブルーノはすっかりフレズベルク隊に馴染んでいたのだった。


馬車で進む事数時間。


太陽も真上に進みとても日差しの暑い良い天気だった出陣日和だ。


ドンドンドンドン!


「はあっはあっはあっ…、お願いブルーノ!

開けて頂戴、とっトイレ行きたいの。」


そうブルーノは二人が仲直りするまで箱から出さないと宣言したのだ。


「もうケンカしないっすか?」


「しないわ、しないからお願い、早く開けて。」


俺もこんな至近距離でレナに漏らされても困る、ケンカしないから開けてやってくれとブルーノに言った。


二人に言われてようやくブルーノは箱を開ける。


むわ〜ん。


驚いた事に箱の中はレナの汗でむせ返る程だった。


そんなにフレズとケンカする事は大事な事なのだろうか?


二人の根性には改めておどろかされる。


レナは箱から飛び出すとそのまま川に飛び込んで汗を流した。


この後用を足すだろうからブルーノは視線を外して箱の中のフレズベルクを見た。


驚いた事にフレズは氷の魔術で背中側を凍らせていた。


レナよりは快適に過ごせただろうが背中は霜焼けで真っ赤になっている。


バカだ!

過去最高の天才と称されるこの二人は正真正銘のバカだ。


ブルーノはそう思いながら、フレズベルクの背中の氷を割って回復魔導をかけた。


これが新たな三人旅初日の出来事であった。


諸事情で毎日更新を終了します。


少しずつ更新していくので、よろしくお願いします。

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