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何もかも完璧に生まれた二人は許婚。  作者: レオナルド・ダック
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トップに立つ者の資質とバンジージャンプ!

塔から落下しながらレナは呪文を唱える。



「弱肉強食の名の下に天才フレズベルクの妻!天才レナが命ずる。

風よ力を!」


もちろんこんなデタラメな呪文などない。


レナは普段簡易詠唱て魔術を使えるからちゃんとした呪文を覚えていないのだ。


それでもフレズベルクの妻!とか名乗った事によりレナのテンションと集中が上がり魔術の威力があがる。


じゃじゃ子は落下のパニックの中に居ながらも感激していた。


「レナ隊長凄いです。

風魔法を使って空を飛ぶなど聞いた事がありません。」


レナはちょっと困った顔をしながら答えた。


「私も風魔法で空を飛ぶなんて聞いた事ないわよ。

出来ると思ったけど無理みたい…。」


「「えっ?」」

じゃじゃ子と弟は兄弟仲良く声をあげた。


「あそこに見える池と砦のお堀どっちが深いの?」


レナの疑問にじゃじゃ子が即答する。


「池に決まってるじゃないですか!」


「わかったわ、いくわよ。」


そう言ってレナは再び魔力を練る。


「風の精霊!

くったるんでないでさっさと力を貸しなさい!

風よ力を!」


何度も言うがレナは呪文など覚えてはいない。


レナにとって呪文とは要は気合が入ればいいのだ。


レナと2人は少しだけ落下速度を落としつつ、方向を調節して池に向かった。


バッシャーーーーン!


3人は池に落下して爆音とともに大量の水飛沫を上げた。


「ハァッハァッハァッ、みんな生きてる?」

岸に泳ぎ着いたレナは二人を確認する。


「はい、なんとか。」

じゃじゃ子はともかく弟は心臓が爆発しそうな程だった。


牢屋に閉じ込められてろくに運動もしてなかったのに、いきなり塔から飛び降りさせられ池を泳いだのだ。


「追っ手が来るわ走るわよ。」

レナはそう2人に告げる。


3人は必死に走る。


じゃじゃ子も弟ももう死んだ方がマシだと思うくらい苦しかった。


レナに魔導は覚醒していない。

いくら天才と言えども覚醒していないものは使えないのだ。


3人は補助魔導もなく敵の矢や魔術が降り注ぐ中走り続けた。


実際には矢や魔術はレナが対応している為、じゃじゃ子兄弟はただ走っているだけだった。


それでも真夜中に矢や魔術が降り注ぐ中、暗い森を走り抜けるのは地獄だ。


何度も木の根に躓き転ぶ。

身体中全身傷だらでボロボロだった。


そしてとうとう弟の足が止まった。

それを見てじゃじゃ子が言う。


「レナ隊長ありがとうございました。

私達を置いて一人で逃げて下さい。」


レナは二人に電撃魔術を放つ。


弟は痛みで飛び上がった。

それは本人の意志で動いた訳ではなくただの電気反応だったのかもしれない。


「上に立つ者が軽々しく諦めるな。

フレズ隊長はいつも必ず助けに来てくれる。

フレズが助けに来ないという事は私達だけでなんとかなるという事だ!」


それを聞いて二人は心を打たれた。


フレズ隊長という人には会った事がないがレナ隊長が絶大な信頼を寄せているのはわかった。


きっと例えその場に居なくても部下の支えになる、力になるのが真に上に立つ者なのだ。


二人は再び走り出した。

途中何度も挫けそうになったが弱音を吐かなかった。


森を抜けると朝日が昇りそこには見慣れた部下達の顔があった。


「おーい、こっちだ!

助けてくれーー。」

じゃじゃ子は部下達に向かって叫ぶ。


部下達も2人に気づいて駆け寄ってきて追ってきた敵と戦闘を開始する。


「やりましたレナ隊長。

おかげで弟を助け出せました。」


振り向いたじゃじゃ子が見たのは自分達以上に血だらけでボロボロのレナだった。


服も皮膚も魔術を受けて焼け焦げて、小さな背中と肩には矢が刺さっていた。


暗闇で必死に走っていた2人は2人を庇ってボロボロになったレナに気づかなかったのだ。


レナは二人の肩をそっと叩いて歩き出す。


指揮官台に登ると集まった部隊に向けて宣言した。


「私がこの地の新しい領主になったレナだ!

実質の管理は腹心のじゃじゃ子がする。

元領主の息子は助け出した。

さあ今こそ卑怯者へ正義の鉄槌を!」


自分達では助けられなかった領主の息子をたった一人で助け、全身血だらけでボロボロなのにいっさい弱みを見せないその小さな小さな身体に部隊の指揮は上がる。


そしてレナはじゃじゃ子の方を向いてじゃじゃ子を呼ぶ。



「さあ!じゃじゃ子初仕事よ。

みんなを率いて勝利に導いてちょうだい。

頼んだわよ。」


「イエス、レナ隊長!」

じゃじゃ子はそう大きく返事をして指揮官台に上がり部隊を動かす。


レナはそれを見届けると意識を失った。


ーーー

レナが目覚めると次の日の夜だった。


倒れたのが早朝だったので丸一日以上寝ていた事になる。


フレズベルク愛の怒兵による治療は完璧で既に身体に痛みはなかった。


「今どうなっているの?」

レナは愛の怒兵に確認する。


「はい、既に局地戦では勝利を収め明日には目的の敵重鎮を捕らえられると思います。」


「わかったわ、私も行くわね。」


愛の怒兵はレナに言う。


「わざレナ様が行かなくても大丈夫だと思います。」


「こんなにボロボロにされたのに仕返ししないなんて有り得ないし、勝利の瞬間に立ち会わないなんてもったいないじゃない。」


こうしてレナの出兵が決まった。


ーーー


次の日。


なぜか副長のじゃじゃ子が最後尾に陣取り、大将のレナが先兵と共に行動するという謎の配置で進軍を開始した。


レナは救出作戦の時とは全く違う状態で楽しそうに敵兵を鞭で倒していく。


その姿を見た味方兵が少しヒクくらいの強さだった。


レナはどんどん進み砦の門を大型魔術で吹っ飛ばす。


「ご機嫌様。」


そしてとうとうレナは敵の重鎮の前にたどり着いた。


敵の重鎮はレナを見るなり走って逃げ出した。


ずっと砦からレナの戦闘を見ていたのだ。

逃げ出すのも無理はない。


「あら、自己紹介もしてくださらないの?」

レナは鞭で敵を倒しながらどんどん敵の重鎮を追い詰めていく。


重鎮は逃げ続けついにあの弟が捕らえられていた塔の最上階にたどり着いた。


そうレナに誘導されたのである。


「一緒に踊りましょう。」


そう言うとレナは鞭で重鎮を滅多打ちにした。


忘れてはいけないがレナの鞭はフレズベルク愛の怒兵のおっちゃんの特別製で極限まで殺傷能力を落とし、反対に痛みは極限まで高めている。


「わまくそやんつこらわてさわむから。

もう殺してくれーーー!」


敵重鎮の意味のわからない叫び声が響き渡る。


「もう踊り疲れましたの?

では一緒にお空のお散歩と行きましょう。」


そう言うとレナは重鎮に体当たりをして一緒に塔から飛び降りた。


実はレナはこの縄なしバンジーが気に入っていたのだ。


もちろん先日とは違い重鎮は助けない。

そのまま地面に落ちて頂く。


「風の精霊を私の勝利を祝って我に力を!」


レナはまたデタラメ呪文を唱える。


バッシャーーーーン!


やっぱり今回も空を飛ぶ事は出来ずに池に落ちた。


そんなレナを見て東の国の兵士達は思う。


絶対にじゃじゃ子の言う事を聞いて頑張って良い国にしよう。


じゃじゃ子の指導で成果を出さないとレナ自身が出てきて恐ろしい事になると。


こうして東の国は平和に栄えた。


今週もありがとうございました。


ブックマークも少しずつ増えてきて嬉しいです。


来週もまたよろしくお願い致します。

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