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何もかも完璧に生まれた二人は許婚。  作者: レオナルド・ダック
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ローニャ絶体絶命!

ギギギギギィ…。

ローニャが敵貴族屋敷の門を開けると中は地獄絵図だった。


「あっああううう…。」

「ううっううぅ…。」


何やら意味のわからない呻き声をあげる敵兵達。


「あら、私の魔術を喰らって生き残っているとはかわいそうに…。」


ローニャはそう言うと意識のある敵兵達に普通の睡眠魔術をかける。


敵兵達はほっとした表情を浮かべて眠る。


ローニャの神経毒魔術を喰らった者は通常直ぐに仮死状態になるのだ。


身体の機能が低下して呼吸も浅くなる。


そして身体の弱い者はそのまま死に、強い者は助かる。


この敵兵達は変に魔術耐性が高く意識を残したままだった為にローニャの神経毒魔術を吸い続ける事になってしまったのだ。


「皆さん敵兵の中にはかなり魔術耐性が高い者がいる様です。

油断しないで下さいね。」

ローニャは再度みんなに注意を呼びかける。


今までローニャのオリジナル神経毒魔術を使った後に敵兵が襲いかかってくる事はなかった。


そのため油断してしまい仲間達が落とし穴などの単純な罠にかかりやすくなってしまうのだ。


ローニャは仲間達を注意しながら、新たな部屋のドアを開ける。


「床の絨毯の下に罠の作動スイッチがあります。

気をつけて下さい。」


ローニャは罠を魔導感知して注意を促す。

その時だった。


ザシュッ!


何処からともなく飛んできた針がローニャに刺さる!


ぐわわわわん。


ローニャの視界が激しく揺れてローニャはその場で膝をついた。


「くっ!バカな…。」


ローニャが視界不安定なまま針が飛んできた方向を見ると、そこには今回のターゲットである敵貴族大将が立っていた。


「私が何の準備もしないまま、ただただ君の侵入を待っていたとでも思っていたのかね?」


そう言うと敵貴族大将は何やら怪しい呪文を唱え始める。


ローニャはその呪文を聞くとすぐにフレズベルク愛の怒兵達に撤退を指示した。


ローニャは怒兵の一人に支えられてなんとか屋敷を出る。


「呪文を少し聞いただけで私の毒魔術を察知するとは、さすがは天才と言われるフレズベルクのガキのお気に入りだねローニャ。」


敵貴族大将はそう言いながらローニャを追って屋敷から出てきた。


そう先程敵貴族大将が唱えようとしたのは大規模毒魔術。


「まだ生き残っている仲間兵士もいただろうに酷い事を…。」

ローニャはそう言った。


敵貴族大将は生き残りの敵兵達もろとも屋敷内に大規模毒魔術を唱えたのだ。


「君には言われたくないねローニャ。」


敵貴族大将はそう言うと杖を構える。


「私達から300メートル離れて待機。

もし私が破れたらフレズベルクかサニーに敵貴族大将は毒魔術を使うと伝えなさい。」


ローニャはフレズベルク愛の怒兵達にそう命令する。


「しかしローニャ様…。」

愛の怒兵の一人がそうローニャに確認する。


ローニャは先程の針を受けてまだ立っているのもやっとなのだ。


「私の渡した晒しの切れ端を見なさい色が変わっています。

敵貴族大将は毒魔術を使います。


その上相手は我々が国王の私兵ではなく、フレズベルク隊である事はもちろん、私の名前まで知っていました情報戦でも負けています。


ここから離れて待機。

私が破れたら即座に逃げなさい。」


ローニャは頭使って戦闘する奴等の特徴を知っている。


ここまで情報を集めてローニャのオリジナル神経毒魔術に耐える相手だ。


きっと屋敷内にも逃げ道は確保してある筈だ。


その敵貴族大将が堂々と出てきたのだ。

勝ちを確信する何かがあるのだろう。


「私と一騎討ちしてもらいます、よろしいですか?」


ローニャはそう言うとふらつきながらも剣を抜いた。


「ああいいだろう。

もとより私は君も兵も皆殺しにするつもりだからね。

それよりも随分と立派な精霊石が柄頭についた剣だねローニャ。」


そう言って敵貴族大将は自らの剣は抜かずに杖を改めて構えた。


ローニャの剣の柄頭に精霊石が付いているのを見抜いて魔術戦による一騎討ちになると判断したのだ。


ローニャは柄頭の精霊石を見抜かれてイラつきながら返事をする。


「あまり気安くローニャローニャと呼ばないでもらえますか気持ち悪い。」


「これは失礼自己紹介がまだだったかな。

私の名前はナメルハウ・ストーカー。

これでも一応ナメルハウ家の9代目当主だよ。」


ナメルハウ・ストーカー。

改めて名前まで気持ち悪い奴だとローニャは思う。


「もちろん名前は存じておりますわ。

これから殺す相手ですもの。

私は気安くローニャと呼ぶなと言っているんです。」


ローニャは改めて挑発する。


「これから殺す相手?

それは違うなローニャ。


これから君は僕のありとあらゆる性的な拷問を受けるのだよ。

その様子を魔導で録画してフレズベルクのガキに送りつけてやるのさ。

もちろん交渉の道具にもなってもらうよ。


その為に君はその魔術耐性の高い晒しをわざわざ外してノーブラで私の前に現れたのではないのかな?


私の性的な拷問は凄いよ。

君は耐えられるかな?

フレズベルクのガキで初体験は済ましているのかな?」

そう言ってナメルハウ・ストーカーは下品に笑う。


ナメルハウ・ストーカーの言う通り一見ただの布に見えるローニャの服には、あらゆる魔導が仕込まれていて物理的にも魔術的にも耐性が高い。


今こうしてふらつく原因になった針の毒も晒しをきちんと巻いていれば防げたはずだったのだ。


ローニャは絶体絶命とも言えるこの状況でも虚勢を張って自らを奮い立たせる。


「フレズベルク様の夜はとても凄いのです。


触覚的快楽はもちろん痛みも、視覚・聴覚・嗅覚・味覚全ての感覚神経が何をされても快楽しか感じなくなり、何度も何度もあの世とこの世を往復させられるのですわ。


貴方の性的拷問などフレズベルク様の性的拷問の前ではただの子供の遊びと同じですわ。」


それを聞いてナメルハウ・ストーカーは笑う。


「はっはっはっはー、いくら天才とは言えたかが10才のガキに何を。

私には挑発など聞かないよ。

会話を続けて回復する時間を稼ぐのに付き合うのもそろそろ飽きてきた。

そろそろいいかな。」


「クッ…!殺してやる。」

ローニャはそう言うと剣の柄頭の精霊石に魔力を通し多数の魔術を同時に発動する。


自身最高のオリジナル神経毒魔術も防がれ、情報戦でも破れ、毒針によるダメージを負っているにも関わらず、挑発や遅延などの知的戦略にも破れた。


フレズベルク愛の怒兵達に散々油断するなと言っておきながら油断していたのは自分自身だった。


ローニャに残された道は毒針によるダメージを負った状態で正々堂々と正面から目の前に立ち塞がるナメルハウ・ストーカーを倒すしかないのだ。


さあ今週もはじまりました。

よろしくお願い致します。


第10話に素敵な挿絵を頂きました。


レナとフレズベルクのキスってイラストにするとこんな感じなのですね。


自分で文を描いておきながらそれは学校で話題になるし、フレズベルクも旅に出たくなるわと思いました。


もしよろしかったらご覧下さい。


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