戦争開始!怒兵の力とブルーノの怒り。
俺は布団に入って明日の事を思う。
レナやリズベル達は既にそれぞれ担当する地に向かっている。
そして俺はラインズを守りながら戦わなければならない。
俺は奴隷達に明日の事を伝える。
「明日は反逆者供を処刑するぞ、各々各隊長の言う事を聞いて頑張ってくれ。」
俺は明日に備えて魔力回復薬を飲んで早めに眠りについた。
「うわーーーー!」
カンカンカンカンカンカンカンカン。
突然の悲鳴と警報の鐘の音で目が覚めた。
俺は咄嗟にベット脇の剣に手をかける。
何事だ?まさか情報が漏れたのか?
ドンドン。
突然俺の部屋のドアが叩かれ俺は覚悟を決めて構える。
「坊っちゃま、大至急街の中央広場に!」
部屋の外から聞こえたのは慣れ親しんだバートラーの声だった。
「何事だ!何があった?」
俺は急いで戦闘の準備をはじめた。
馬に飛び乗り街中をかける。
落ちている矢や剣、魔法を放った後や所々に倒れている敵対貴族の私兵達を脇目に中央広場へと馬を飛ばす。
中央広場には敵対貴族の重鎮とその祖父・息子三人・そのバートラー五人がいた。
その周りを200人近いフレズベルク愛の怒兵が囲む。
俺はこんなに戦闘参加出来る愛の怒兵がいた事に驚いていたが、その中にブルーノの妹を迎えに行った時の怒兵がいたので話しかける。
「これはどういう事か説明しろ。」
「あっフレズベルク様。
フレズベルク様とラインズ様のお手伝いでございます。
処刑の準備が整いますまでもうしばらくお待ち下さい。」
どうやら怒兵達は俺のラインズに怪我をさせない様に敵対貴族を倒すという想いに反応したらしい。
俺が説明を受けている間にブルーノとラインズが到着する。
ブルーノはあらかじめラインズの護衛につけておいたのだ。
「フレズ兄さん相変わらず派手好きですね。」
ラインズは到着後の第一声で嫌味を言う。
「話しは後にしてくれ。
それよりも目標はあっちだ。」
俺は広場で結界を張って生き延びる敵対貴族達の方を示す。
「なるほどちょうど良い頃合いですね。」
ちょうど朝日が昇って明るくなってきていた。
騒ぎが収まってきたのを受けて野次馬しにきている民衆もいる。
正に処刑日和だ。
結界内に籠る貴族が俺達に気付いた。
「貴様!フレズベルクとラインズ!
これがどう言う事か説明しろ!」
俺とラインズを怒鳴りつける敵対貴族。
この時点で不敬罪だが俺は堂々と一歩前へ出る。
すると怒兵の一人が俺に紙束を渡してきた。
内容を確認するとそれは敵対貴族の悪さを書いた新聞だった。
全く何から何まで怒兵は最高だぜ。
「俺自ら説明する必要もない。」
俺は魔法で風を起こし新聞をばら撒いた。
新聞を拾った民衆が敵対貴族に罵声を浴びせはじめる。
貴族の元にも風に乗って一枚の新聞が届き中を確認された。
「ここまでするとはもう証拠は十分にあるのですね。」
貴族は覚悟を決めて再び俺を睨んだ。
その時だった、貴族の祖父が古いしきたりを持ち出して一騎討ちの決闘を申し出る。
何を今更と思ったがラインズがこれを受ける。
「フレズ兄さんこれは正当な処刑です。
僕達の手で民衆の前できちんと処罰する必要があります。」
貴族の重鎮をラインズ、祖父をブルーノがそれぞれ担当する事になった。
「いくら年老いたとはいえ獣人風情に負けるものか。」
貴族の祖父はそう言って剣を抜く。
「フレズベルク様俺なんかでよろしいのでしょうか?」
ブルーノは不安そうな顔で俺を見る。
「やっちまえブルーノ!
俺達はブルーノの味方だぜ!」
「フレズベルク小隊の名を汚すんじゃねえぞ新入り!」
「この国じゃ獣人かどうかなんか関係ないんだ。クソじじいに目にもの見せてやんな。」
民衆達の応援の声がブルーノに届く。
「だそうだぞブルーノ。
さっさと行ってこい。」
俺は安心してブルーノを送りだす。
「イエスフレズ!」
ブルーノは大きな声で返事をして中央広場に躍り出る。
すると貴族の祖父がいきなりブルーノに切りかかった。
ブルーノはすんでのところで躱す。
「決闘のマナーも知らないんすか?」
「うるさい!獣人相手のマナーなどないわ!」
貴族の祖父は剣を振るう。
ブルーノは剣を避けながら丁寧に1発1発殴り返していく。
誰の影響か知らないがブルーノも性格が悪い。
決めようと思えばいつでも決められるのに手を抜いている、ボコボコにした上で始末するつもりなのだろう。
ブルーノは獣人獣人連呼されて相当ムカついている様だ。
ブルーノはフレズベルクのために立派な人間になり獣人達の見本になると心に決めているのだ。
ブルーノのは静かに怒り狂っていた。
「ええい!民衆共々死ぬが良い!」
貴族の祖父は一騎討ちに必要ない大きさの攻撃魔術を唱える。
「はーはっはっは!
お前が避ければ民衆達にも被害が出るぞ!
喰らえ火炎ニュー!」
ブルーノは冷静に反射魔導を準備していた。
火炎ニューを殴り返す。
「バッバカな〜!」
クソじじいは自分の放った魔法で燃え苦しみ生き絶えていった。
「ふっ、汚ねえ焚火だ。」
ブルーノは捨て台詞を吐いて片手を上げ民衆の声援に応えた。
貴族の重鎮は動揺していたがまだ冷静だった。
ラインズ王子はまだ7才。
余裕で勝てるはずだった。
貴族の重鎮が一騎討ちに出ようとするとフレズベルクが広場に躍り出た。
「なぜ貴様が出てくる。
私の相手はラインズのはずだ。」
俺は笑いながら答える。
「そうだなお前の相手はラインズで間違いない。
だから先に俺の相手を倒してしまおうと思ってな。」
俺は貴族の子供達を見る。
俺より年上の癖に貴族子供達は俺を見て震え上がる。
そんな子供達と俺の間に五人のバートラー達が立ち塞がった。
俺は不敵に笑う。
「いいぞ、8人纏めてかかってこい!」




