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何もかも完璧に生まれた二人は許婚。  作者: レオナルド・ダック
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戦争前の作戦会議。

フレズベルク愛の怒兵は大活躍だった。

街の人達からの信頼も厚い。


彼等はあまり自分でものを考えないという欠点がある。


おそらく奴隷として扱いやすい様に幼い頃からそう教育されて洗脳されたのだろう。


武器屋のオヤジはそうは見えないが、あれは武器屋のオヤジを使っていた前の主人(おそらく武器屋)の指示なんだと思う。


つまり奴隷はその主人さえ立派な人間であれば立派な人間になるのである。


俺は自分で自分を立派とは思わないが、幸いお金も身分も才能もある。


彼等には国や人の為になる事をしなさいと命令している。


その結果彼等は街の人々から愛される事になった。


今日も彼等は街の人々から頼まれた依頼をこなす。


ちょっとした魔物退治や怪我人の搬送。

そして壊れた道の修理や溝の掃除などだ。


この修理と掃除が思わぬ結果を生み出す。


基本的にきちんとした貴族は自費でみんなが住みやすい街の整備や掃除を行う。


民衆から集めたお金を民衆の為に使うのが普通だ。


ところが私利私欲を肥やす貴族達は違った。


フレズベルク愛の怒兵をいいように使い出したのだ。


彼等にとっては愛の怒兵は無料で使えるただの奴隷でしかなかった。


フレズベルクが街の人達や彼等を大切にしているなどとは一切思ってすらいなかった。


腐った貴族達には金持ちのボンボン息子が余った奴隷を適当にあしらってるとしか思えなかったのだ。


その結果フレズベルク愛の怒兵は諜報活動に成功する。


次々と反国王派の貴族の名前と悪行がフレズベルクの元に集まっていった。


今日は俺とラインズとローニャとサニーの4人でその打ち合わせをしていた。


残念ながらリズベルは今日はお休みだ。

この様な内容の話にリズベルを呼ぶと反国王派の貴族達を全員切ってしまうからだ。


リズベルにはその他の貴族、つまり民衆の為にきちんと働いている貴族達との連携を頼んでいる。


俺はこういう話の時いつもリズベルを呼ばないが、別にリズベルがバカな訳ではない。


逆に優秀過ぎるのだ。


『正しくありたければ強くあれ。』


リズベルはこの言葉を体現する程の逸材だった。


人が生きる上で正しいだけでは生きられないのだ。


時には相手の為に嘘を言う事もあるし、思ってもいないお世辞などを言って場を円滑に進める事も重要だ。


リズベルはそれをしなかった。

する必要がなかったからだ。


リズベルには反国王派の貴族討伐後の混乱の収拾に備えてもらう。


彼女になら安心任せておけるのだ。


ローニャが今回の反国王派貴族討伐作戦を考案する。


ローニャはフレズベルク愛の怒兵が集めてきた情報から、5つの反国王派の重鎮を切ってしまえば後は自然解散になると言う。


「なるほど、僕の見解と同じですね。」

「私もそう思っていたよ。

切り過ぎても民衆に混乱を与える事になるからな。」


ラインズとサニーが同意する。


…。


俺は今日この場で考えようと思っていたから何も準備していなかった。


三人の視線が俺に集まる。


「さて、その5人の重鎮だがどう対処するべきか…、ローニャ意見を述べてくれ。」

俺は適当に司会進行する事でこの場を切りぬける。


ローニャは地図を広げ領地を確認する。


「まず4人の重鎮ですが、それぞれの実家の領地が近いレナ・リズベル・サニー・私で対応して、許可が頂けるならそのまま治めさせて頂けると楽かと…。」


ローニャがそう言うと、サニーが怒って戦闘態勢に入る。

「ローニャ!無礼だぞ。」


ローニャの意見は一見適切に思えるが、そのまま治めるという事は、褒美として領地をよこせと言っている事になる。


サニーはそこを無礼だと怒っているのだ。


サニーは正確には怒ったふりをしている。

サニーがローニャを嗜める事により、ローニャの意見をラインズに認めさせようとしているのだ。


突然ラインズが笑いだす。

「いつもフレズ兄さんが言ってる通りの人達ですね。」


ラインズはそんな二人の性格を俺と同じくらい把握している。


ずっと城に閉じ込められ英才教育され続けてきたラインズには週一回俺のする話だけが娯楽だったのだ。


当然今回の二人の演劇も予想していたのだろう。


「領地は半分授与して、4分の1を僕、残りの4分の1をフレズ兄さんで分けましょう。

王都に一番近い領地は国の方へ戻させてもらいます。」


こうすれば国1:ラインズ1:俺1:ローニャ達は0.5ずつとなる。


俺とラインズは飛び地になってしまうが、将来国王になるラインズには関係ないし俺もあんまり気にしていない。


「僕は将来国王になるつもりでいますが、フレズ兄さんと半分ずつでも良いくらいに思っています。

当然フレズ兄さんが大切に思っているあなた達は僕にとっても大切な人です。」


ラインズはあっという間にサニーとローニャの心を掴んだ。

ラインズはたらしとして天性の才能がある。

ラインズと関わるとみんなラインズが好きになってしまうのだ。


「しかしそうなると一番王都に近い重鎮をラインズ様とフレズ隊長に担当していただく事になるのですが…。」

ローニャはラインズを心配しているのだろう。


「もちろん今回は僕も戦いますよ。

僕が出ないでフレズ兄さんに任せたら、それこそ「フレズ兄さんを次期国王に。」と国が荒れてしまいます。」


こうして何も俺の見せ所がないまま会議は終了したのだった。


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