表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何もかも完璧に生まれた二人は許婚。  作者: レオナルド・ダック
23/39

武器屋のオヤジとフレズベルク愛の怒兵

家に戻った俺は魔力回復薬を飲みながら奴隷達に伝達魔法を飛ばす。


はじめて魔法を使った時と違いかなりの数の奴隷が王都周辺に居るので、距離が近い分一回の伝達だけでは魔力切れは起こさないだろう。


「喜べお前達は今日付けでラインズ時期国王の特別部隊フレズベルク大隊の兵士となった。」


俺はもう疲れたのでそう伝達だけ済まして、寝ようとした。


その瞬間だ。


「嫌です!」

「嫌だ!」

「私達が何かミスをしたのでしょうか?

それならば罰をお与えください。

フレズベルク様の奴隷でいさせて下さい。」


一斉に返された奴隷達の嘆願で俺は起こされた。


奴隷達は誉れ高きラインズ付きの部隊に入るよりも俺の奴隷でいたがったのだ。


これは俺には予想外で彼等を説得するのに一晩かかってしまった。


魔力回復薬も8本4リットル飲む羽目になってしまった。


結局奴隷達とは、『フレズベルク大隊愛の怒兵』と名乗る事で話がついた。


愛のという部分も恥ずかしいが、怒兵の部分でも相当揉めた。


『どれい』をもじって『どへい』なのは割と直ぐに決まったが、『怒』なのか『努』なのかで揉めた。


俺としては努力の努にしたかったのだが、彼等は奴隷の奴の字に心を付けて怒にしたがった。


そして俺は話しあいが終わった後に俺はまた驚愕した。


名前変更の褒美を与えなければならなかったのだ。


「お前達よくやった素晴らしい名前だ。

追って褒美としてフレズベルク大隊愛の怒兵の証明メダルと果物を送るから、フレズベルク商会の担当者から受け取るが良い。」


奴隷達は俺に褒められた事と果物を大喜びする。


俺はようやく意味のわからない会話を終え眠りについた。


ーーー次の日ーーー


翌日俺はラインズとレナ連れてフレズベルク商会の武器屋にやってきた。


これから貴族と戦えば人を大勢切る事になる。

俺は気にしないがドーヘンタイーナドの紋章が刻まれた剣で人を切る事にはいかないのだ。


街を自由に歩ける様になってはしゃぐラインズが武器屋のドアを開ける。


その瞬間物凄いダミ声の怒鳴り声が響き渡る。

「ガキは帰んな!

うちは実力のねえ一見には武器は売らねえんだ!」


はじめての経験にラインズはドアを開けたまま硬直していた。


俺は慌ててラインズの前に立つ。


「すまない俺の紹介だ。」


俺の顔を確認すると武器屋のオヤジは破顔して喜ぶ。


もちろん武器屋のオヤジも俺の愛の怒兵だ。


「それからこちらはラインズ時期国王陛下だ。」

俺はラインズを紹介する。


武器屋のオヤジは一切驚く事もなくこたえる。

「それがどうしたんだフレズ様?」


俺はまた自分の知らない世界を知って驚いた。

元奴隷である愛の怒兵には次期国王のラインズより俺の方が上なのだ。


武器屋のオヤジはラインズを担ぎ上げて店の裏庭に歩きだした。


裏庭でラインズに古びた剣を投げ渡し言う。


「おいガキ、フレズベルク様の紹介だ。

特別に実力測ってやるからそこのマネキン切ってみな。」


ラインズは古びた剣を握りマネキンを一刀両断した。


「たしかラインズとか言ったか中々やるじゃないか、よしお前の剣を選んでやる店に入んな。」


どうやら武器屋オヤジはラインズを認めたらしい。


ラインズも認められて嬉しいそうだった。


武器屋のオヤジはB級と書かれた箱から剣を何本か選んでテーブルに並べていく。


俺は慌ててオヤジに注意する。

「オーダーメイドじゃないのか?」


「何を言ってんだフレズベルク様。

成長途中のラインズにオーダーメイドなんか勿体ない。

今は実力にあったいろんな剣を握り経験を積むべきだ。

今でさえその腰に下げた実力に合わない剣のせいで、剣に頼る変な癖がついてやがるのに。」


確かに貴族の息子に高価な武具に頼る癖がついていて実戦で予想外の死に方をするのはたまにある事だった。


貴族に剣を教える程の使い手なら誰でも知っていたがあえて教えない事だった。


そもそも余程の不運が重ならなければ貴族の息子が危険な戦場に行く事などないのだ。


だったら部下が駆けつけるまでの護身を教えるのが一番だというのが彼等の結論だ。


武器屋のオヤジはそんな一部の剣の達人でしか知らない事をあっという間に見破った。


「それからラインズお前剣の手入れを自分でしてないだろ。

暇な時に教えてやるからまめに通え。」


「はい先生。」

ラインズは素直に返事をした。

ラインズの素直過ぎる返事に武器屋のオヤジは少し照れている。


さすが次期国王だ。

ラインズには人を垂らし込む才能がある様だ。


ラインズは武器屋のオヤジが選んだ細身の軽い剣の中から一番重い剣を選んた。


「ほう、まだまだ強くなりたいのか。

良い心構えだ。」


「はい先生。」


幼い頃から剣の鍛錬はしているもののまだまだ体の小さいラインズに合わせて細身の剣を進めた武器屋のオヤジと、まだまだ自分は強くなりたいとその中で一番重い剣を選んだラインズ。


二人は以外といいコンビなのかもしれない。


一方でレナは鞭を物色していた。

貴族との戦闘に向けて殺しやすい剣ではなく得意の鞭を使うつもりらしい。


「お嬢ちゃん鞭は扱いの難しい武器なんだ。」


そう言うと武器屋のオヤジはラインズにした様にレナを担ぎ裏庭に連れて行った。


どうやらこの店ではオヤジに実力を認められないと武器が買えないらしい。


レナは自前の二本の極太鞭を取り出してマネキンを滅多打ちにした。


レナの鞭裁きを見て武器屋のオヤジは興奮した声を上げる。


「こりゃ素晴らしい!

お嬢ちゃん名前はなんて言うんだい?」


「レナよ。」


「レナ様早速だが俺にレナ様専用の鞭を作らせてくれ。」

武器屋は直ぐにオーダーメイドしたいと宣言した。


「出来るだけ殺傷能力を低くした上で、最大の痛みを与えられる様にしてちょうだい。

鞭自体の耐久能力も上げて欲しいわ。」


「任せてくれ、俺の作る鞭は相手の身体と心を打ち抜く鞭だ。

最高の品を用意する。」


そう言うとオヤジは嬉しそうに店に戻って作業を開始した。


レナも嬉しそうなオヤジの姿を見て晴れ晴れした顔をしていた。


レナの鞭には暗い過去が秘められている。

嬉しそうに鞭を作りはじめるオヤジの姿に過去は過去、鞭の実力は実力とレナの心の中で変化があった様だ。


そんなラインズとレナの姿を見て俺は思う。


貴族は貴族の中だけで過ごす事により、より高いクオリティを保ってきたが、それも限界が近いのかもしれないなと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ