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何もかも完璧に生まれた二人は許婚。  作者: レオナルド・ダック
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奴隷の力、ラインズ王子の力。

王都が見えてくるにつれてフレズベルク達の予想は現実になった。


王都から湖へ向かう街道沿いにまだ簡易的だが柵が設置されている。


これもフレズベルクの命令を受けた奴隷達の仕事だろう。


見ると王都の入り口から少し離れた所にフレズベルク専属のバートラーが立っている。


これは王都に入る前に話がしたいという事に他ならない。


俺はレナ達に部隊を任せ、フレズベルク隊長は明日到着予定だと伝えろと言って隊を離れた。


俺はバートラーと合流し、王族関係者しか知らない隠し通路から王都に入る。


バートラーは

「とりあえず家の様子をご覧になって下されば全て理解出来ます。」

と言ったきり無言だ。


俺専属バートラーが何も言わないと言う事はかなりやばい。


俺は街の中を足早に抜ける。


街を見ると街がいつもよります綺麗だった。


その途中で嫌な建て看板を見つけた。


『街道で兵士に頼む程ではない簡単な魔獣を見かけた方または街が汚れている・獣人差別を見かけたなど悩みのある方は、フレズベルク愛の会まで。

フレズベルク様の愛の力は絶対です。』


………。


バートラーだけでなく俺も無言になった…。


そして俺は自分の屋敷を見て驚愕した。


流石に王宮程ではないが、俺の両親の家はもちろん、国王やラインズの別宅よりデカくて豪華になっていた。


知らない人が見れば王宮と間違えるかもしれない。

小さな辺境の王城よりは確実にでかい。


綺麗に手入れされた庭はもちろん奴隷達の詰所や立派な訓練場まである。


建物自体の改修は予想していたが、新たな土地まで購入して家を広げているとは思わなかった。


「土地代はどうしたのだ?」


バートラーが答える。

「フレズベルク様の奴隷達が仕事をして持ち寄って購入されました。

フレズベルク商会はもちろん、魔獣退治や街の清掃で得た、素材の売却やお礼のお金を貯めたものでございます。」


俺はさらにバートラーに聞いく。


「わずか数日で王都の一等地が買える程稼げるわけないだろ。」


「敷地内に製糸場や鍛冶場なども建てらており、素材を加工して販売しているようです。

奴隷達は世界各国から集まった様で技術力も高く商品は大人気でございます。

奴隷達の作っている剣は既に近衛騎士団と同じかそれ以上の性能を誇っております。」


明日などと流暢な事は言って居られなくなった。


とりあえずラインズだけにでもいいから今日中に話しておかなければならない。


バートラーもぬかりなくラインズの予定を把握していてくれた。


俺はラインズの別宅へ向かう。


「あっ!フレズ兄様お久しぶりでございます。」


「ラインズ、王宮内はどうなっているか教えてくれ。」


ラインズは笑顔で繰り返す。

「連絡もなく一ヶ月以上も僕をほったらかしにしたフレズ兄様、大変お久しぶりでございます。」


「……、ごめん。」


俺は何も言い返さず誤った。


「ふふっ。」

そんな俺を見てラインズは笑う。


「ちゃんと手紙とラムネ詰め合わせセット届いてますよ。」


「ラインズと言えばラムネだと思ってな。」

俺は本気で怒られた訳ではないと気付いて安心した。


「さてフレズ兄さん。僕と兄さんにとってとても良い話があるので聞いてください。」


ラインズは得意げな顔で言った。


「出来れば直ぐにでも王と面会したいのだが、その後じゃダメか?」

俺はラインズにラインズの父親、つまり王と会える様にはからって欲しいのだ。


「珍しくフレズ兄さんが慌ててらっしゃるのですね。

それでも僕の良い話を先に聞いて頂きます。

すいませんが、最敬礼をお願いします。」

ラインズは俺に最敬礼を求めた。


つまり良い話とやらはただの楽しい会話ではなく、王子としての仕事の話となる。


俺はラインズの前に片膝をついて、最敬礼のポーズをとる。


「フレズベルク小隊隊長フレズベルク。

お前は本日付けで私の騎士となり、反抗貴族の制圧及び、国内の安定及び発展に勤めよ。」


「イエス、ラインズ!」


俺はなるほどと思った。


国王(おじさん)は今回の反抗貴族問題や国内の諸問題を俺とラインズに、つまり次世代を担う層に解決させ様としているのだ。


俺がラインズの下について活動する事により俺とラインズの仲の良さ、つまり王位継承も盤石だと世間にアピールするつもりなのだ。


「それは素晴らしい話だな。」

王位に興味のない俺は素直に喜んだ。


「これでフレズ兄さんと一緒なら街にも自由に遊びに行けますし、憧れだった戦闘にも参加できます。」


ラインズは今まで大量の習い事はもちろん、自分に街を歩く事すら出来なかった。

よほど嬉しいのだろう。


「ちょっと待ってくれ、いくらなんでも戦闘参加は…、それにフレズベルク小隊だけで反抗貴族と戦うのは無理だぞ。」


現在フレズベルク小隊は俺・レナ・リザベル・サニー・ローニャ・ブルーノの6人。


とてもじゃないが反抗貴族の制圧など行えない。


「それでしたら問題ないですよフレズ兄さん。

次世代を担うと言ったじゃないですか。

兄さんの部隊に志願兵を募ります。

今日からフレズベルク大隊です。」


確かに俺とラインズの未来を担う部隊というなら志願する兵士も多いだろう。

だがそれだと兵士の訓練度と連係が気になる。

いきなり貴族相手の実戦は無理だ。

俺はその事をラインズに告げた。


「何を言うのですかフレズ兄さん。

フレズ兄さんは訓練済みでフレズ兄さんの指示を完璧にこなす大勢の私兵を隠し持っている事を知ってますよ。」

ラインズは意味不明な事を俺に言ってきた。


「何の事だ?」

俺は本当に何の事かわからなかった。


「フレズ兄さんは今日その話で慌てて僕に会いに来たのでしょう?

流石に王族付きの部隊に奴隷が居るのは困るので彼等にはきちんと説明しておいて下さいね。」

そう言うとラインズは習い事の先生に呼ばれて楽しそうに走っていった。


ラインズの言った事を理解した俺は驚いた。


ラインズはまだ10才にもなっていない。

成人していないのだ。


改めて俺はラインズこそ次の王に相応しいだろうと思った。


今週もよろしくお願い致します。

第5話レナピンチの話に挿絵を頂きました。

よろしければ是非ご覧になって下さい。

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